キングダムハーツ3D クリティカルLv1クリアへの道 part9

キングダムハーツ3D クリティカルLv1縛り part9です。

この記事にはゲーム本編に関するネタバレしか含んでいません。
未プレイの方はご注意お願いします。
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[ 2012/09/05 11:38 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(2)

レビューNo25 オール仮面ライダー ライダージェネレーション2

「青春フルパワー!」

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オール仮面ライダー ライダージェネレーション2(DS版)

ジャンル:ベルトスクロールアクション
発売元:バンダイナムコゲームズ
開発元:セブンスコード
価格:5040円


前作で好評を博したライダージェネレーションに続編が堂々登場。
今回はDSとPSPの二大ハードでの発売です。どう考えたってDS版が不憫とか言わない。
ちなみに公式PVやCMで流されているのは全てPSP版の映像です。
最初に言っておきますと、ゲームそのものを楽しむならどちらのハードでも大差はありませんので。
それでは参りましょう。

今回特筆すべきなのは何と言っても登場ライダーの多さ。
なんと総勢57人! 前作で「あいつが使えたら…」と思ったようなキャラが皆登場します。
ディエンドやアクセルのようなセカンドライダーはもちろん、スカルやプロトバース、更にはキバーラまでという、非常にファンの心をくすぐってくれるラインナップになっています。パスワードを使えばあの新ライダーも…?

前作では隠しライダーだったフォーゼも今回は主役級に晴れてランクアップ。
性能の方はと言うと、多くの方のご期待通り、アストロスイッチを駆使して戦う仕様になっています。
ベースステイツではエレキファイヤーNSマグネット以外の本編に登場した全てのスイッチを使用可能
S-1ロケットスイッチももちろん使えます!
エレキ・ファイヤー・マグネットステイツでは各スイッチが使えない代わりに、エレキでは電光ドリルキック、ファイヤーではファイヤーランチャーガトリングのフルバースト、マグネットでは超電磁タックルが必殺技として使用可能。ちゃんとネタは抑えています。
セカンドライダーであるメテオはメテオギャラクシーのマーズジュピターサタンを変更してそれぞれ必殺技として使うことが出来ます。

前作からの続投ライダーも新ライダーに負けず劣らずパワーアップしています。
例として平成ライダーのみを挙げてみると、

・クウガ→ライジングフォームに変身できるようになり、各必殺技もライジング仕様に。
・アギト→各フォームの必殺技が変化。
・龍騎→必殺技に念願のファイナルベント「ドラゴンライダーキック」が追加。
・ファイズ→ファイズアクセルでクリムゾンスマッシュができるように。
・ブレイド→モーションに大きな変化無し。しかし彼と相方であるギャレンには見逃せない追加要素が…
・響→必殺技に「鬼棒術・烈火弾」が追加。
・カブト→必殺技に「アバランチシュート」が追加。ライダーキックも純粋なキックだけになりました。
・電王→必殺技にウイングフォームの「ロイヤルスマッシュ」が追加。
・キバ→通常必殺技のモーションが変化。平成ライダーでは一番変化が少ない…(´;ω;`)
・ディケイド→必殺技に「クウガゴウラム」と「ディケイドフェンサー」が追加。
・W→必殺技演出にサイクロントリガー、ヒートジョーカー、ルナメタル、ファングジョーカーが追加。
・オーズ→「メダジャリバー&ガブリュー」など、各コンボにそれぞれ必殺技が追加。

更に超必殺技の演出も強化。全体的によりヌルヌル動くようになり、迫力満点の映像が楽しめます。
ただしかなり音声が重なっている部分があるので、そこはマイナス点か。(特に電王は…)

ちなみに上記に挙げた「ブレイドとギャレンの追加要素」というのは、何とそれぞれ当時のキャストである椿隆之氏と天野浩成氏がボイスを担当!(天野氏はフォーゼのリブラ役も務めているので出演は当然といればそうなのですが)
この情報は発売前から掴んでいましたが、正直ブレイドからは時間もかなり経ってますし、当時のオンドゥル演技力は期待できないかなーと思ってたのですが、箱を開けてみるとびっくり。当時の滑舌の悪さがほぼ再現されています。「ウェイ!(0w0)」の質感も流石本元と言ったところ。彼も当時の演技力を再現できるほど、役者としてのスキルを上げたのですなぁ。
(一応氏の名誉の為に言っておきますと、PS2版の「仮面ライダー剣」ではオンドゥル語が割と改善されています。)

システムの面でも大きく進化。
アクションにはHIT数コンボメモリが追加され、HIT数を重ねるごとにコンボメモリのゲージを増やすことが出来ます。コンボメモリが最大まで溜まった状態ではクイックステップというアクションが発動可能。言うなれば相手の懐に潜ってコンボを決めるようなもので、敵の乱闘状態の中これを決めると実に爽快です。
他にも敵を大きく怯ませるブレイクアタックや、高速でラインを移動するラインスウェーなど、非常に充実しています。

ボス戦もキングダークやライダーコアなど、大型のボスが参戦。迫力もさることながら、攻撃方法も人型とは一風変わっていて非常に楽しく戦えます。ただ超必殺技演出の時のキャラグラが残念。

最後にDS版とPSP版の大まかな違いを。
PSP版ではサードライダーという、条件を満たすと第三のライダーが登場して一緒に戦ってくれるシステムを実装。
ただし、超必殺技を発動する時に幾何かのロード時間が掛かる様子。
他にも味方COMの行動をある程度指定したり、超必殺技の演出が若干強化されていたりという仕様です。
一方DS版では前作からの続投で画面タッチによるHP回復が速やかに行えます。前作でも便利だったので、今回も十分に機能を発揮してくれます。
ただしハード性能故か画質は落ち、処理落ちもし易くなっています。
冒頭でも触れましたが、実際どちらでもゲームを楽しむことは十分に可能です。
持っているハードに応じて購入ソフトを選びましょう。


総評。
このように簡単にまとめさせていただきましたが、前作の純粋なパワーアップ作品といった感じです。
前作からの基本的なシステムは引き継ぎ、様々な部分が強化され、非常に楽しめる内容だと思います。
前作を楽しめた方も、いまいちツボに嵌らなかった方も、ライダー好きならとにかくおすすめできる作品。
これで残った夏を乗り切りましょう(^^)/

ちなみにamzonではDS版、PSP版もどちらも低評価が目立っていますが、あれは「amazon予約では予約特典であるステッカーが付かない」という不満による低評価なので、ゲーム部分に関してはちゃんと評価されていますのでご安心を。
ちなみに予約特典のステッカーには新ライダー除く全ライダーの出現パスワードが書かれているのですが、ぶっちゃけ普通に本編を進めれば全員集まるので正直ステッカー以上の価値は無いです。

では。
[ 2012/08/14 18:38 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(0)

レビューNo.24 ファイアーエムブレム 覚醒

「好きだよ…

いつか別れる日が来ても…

何千年眠ったとしても…

ずっと、覚えてるからね…」



ファイアーエムブレム 覚醒

覚醒

ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:4800円


ファイアーエムブレムシリーズも満を持して遂に3DSに登場。
発売前から告知され続けてきた「シリーズの集大成」というコンセプト。
その名に恥じない確かな作品になれたのか? 説明していきましょう。

物語の舞台はイーリス大陸。かつて邪竜を滅ぼした英雄が建てた聖王国イーリス、邪竜を崇拝する「ギムレー教」なる宗教が広まっているペレジア王国、蛮族によって作られ、何よりも強さをモットーとするフェリア連合王国に3つが大陸に位置し、更に大陸の西側にはヴァルム王国が全地を統治するヴァルム大陸があります。
主人公のクロムはイーリスの王子でいながら地域の自警団をまとめるリーダー。ある日妹のリズ、護衛騎士のフレデリクと共に見回りをしていたところ、草原に一人の倒れた人物を見かけた所からゲームが始まります。

その草原に倒れていた人物こそが、プレイヤーの分身であるマイユニット(デフォルト名はルフレ)。今作も前作『新・紋章の謎』と同じくマイユニットを作成することになります。
なお今作ではマイユニットの職種は剣と魔法を使いこなす「戦術士」確定で、変更できるのは前作同様、性別と容姿、あとは今作からの追加要素として性格も決めることができます。

そしてシリーズの集大成なる今作のゲームシステム。
章を進めるのも『外伝』や『聖魔の光石』のようにフリーマップ制になりました。

恐らくシステム面で一番大きいのは戦闘時に二人一緒に攻撃する「デュアルシステム」。敵との戦闘時に味方と隣接状態になっていると、敵との戦闘でその隣接している(以下:デュアル状態)味方も戦闘に参加することになります。
この状態であれば命中率や回避率が補正され、更に攻撃の度にデュアル状態の味方も援護攻撃(デュアルアタック)をしてくれたり、更に低確率でデュアル状態の味方が相手の攻撃の盾となり、ダメージを無効化する(デュアルガード)こともできます。
これらデュアルアタック、デュアルガードの発動確率は支援関係によって増加する他、デュアルした状態で戦闘を重ねれることでも徐々に増やすことが出来ます。

またデュアルを支援するシステムである「ダブル」も登場。これは二人のユニットが一つの地形マスに入れるという、所謂過去作品の「救出」に近いものがありますが、救出のように能力値が半減するようなデメリット面はありません。
ダブル状態になるとダブルされた側が前衛となり敵との戦闘を行い、ダブルした側は後衛となりデュアルシステムに基づいて前衛のユニットを援護する形になります。なおこの前衛と後衛はいつでもチェンジすることができます。
更に前衛のユニットは後衛のユニットのステータスに応じて能力が上がるという特性まで。非常に便利ですがユニットの数が少なくなってしまうのも事実。うまいこと活用しましょう。

「スキル」も復活。「流星」が「こちらの攻撃を半減した状態で5回連続攻撃」になってたり、「太陽」が「敵に与えたダメージの半分を自分が回復」になってるなど、かなり調整されています。

クラスチェンジ系についても新たなシステムが追加されました。
前作まであった「兵種変更」は無くなり、代わりに「チェンジプルフ」というアイテムが登場。下級職レベル10か上級職の状態でこのアイテムを使うことによって下級職への兵種変更が可能になり、レベルも1にリセットされます。今作ではクラスごとに習得できるスキルが分かれているので今作でいう兵種変更は作戦・攻略上よりもスキル習得の為に使うことが多くなります。また下級職・上級職共にレベルが上限まで達した状態でチェンジプルフを使えば最初から上級職への兵種変更も可能になります。またチェンジプルフによって自分のクラスにチェンジする(=レベルを1にに戻す)こともできるので、「上級職レベル20になったらチェンジプルフで1に戻す」を繰り返せば延々とユニットを育てることも可能です。それ故従来のようなレベル20になってからクラスチェンジする意味は薄くなり、さっさとクラスチェンジするなり別のクラスに移動するなりしてスキルを習得してしまった方が現実的です。

また、すれ違い通信の導入によりフリーマップ上に過去作品のキャラクターが現れるという過去作品をやったことがある人なら思わずニヤニヤできるシステムまで。登場したキャラクターの軍を倒したり、多額の金を払ったりすれば自軍の仲間にすることも可能。過去作品の武器も一部再現されていたり、過去作のキャラクターの名前の付いた武器も入手することもできるのでそれらのユニットで軍を組んで戦うのも楽しいです。

更に今作に復活してまった、本当に復活させてしまったとしか言いようがない「結婚システム」まで復活。
自軍ユニット内では一部を除いて異性同士のユニット間では支援会話がSまで到達するようになり、Sまで到達できたカップルはめでたくゴールイン。フリーマップ上に新たに外伝章が追加され、カップルの間で生まれた子供が成長した姿で仲間になります。
(何故子供達が成長した形で出てくるかはストーリーのところで後述)
詳細は未だ明かされてませんが、『聖戦』同様親子からステータス・一部のスキルが遺伝されます。今作からの要素として父親の髪の毛の色が遺伝するという仕様になっています。
また主人公クロムの子供はイベントで必ず生まれてきます。
基本的に生まれる子供は母親依存でクラスも決まっていますが、マイユニットのみ特殊で性別に関わらずマイユニット依存の子供が存在します。

前述通り基本的には異性同士なら誰でもOK。第一印象で決めるのも良し、支援会話の流れで気に入ったカップルにするのも良し、子供の髪の毛の色を想定して選ぶ(笑)のも良し。『聖戦』時代より自由度が増えました。
またマイユニットは他ユニットと違い本編登場全異性のユニットとカップルが組めます。ロリでもでもBBAでも更には他のカップルが生んだ子供達とも支援がSまで到達することができれば所構わずアーン♡できます。ちゃんと子宝にも恵まれてウッホウホです♡
更にマイユニ(男)が女ユニットと支援Sになればその女の子の一枚絵+フルボイスで感謝の言葉を言ってくれます。(マイユニが女の場合は未確認)
ウッホッホー!

システム面では実に充実してますが、見過ごせない難点もアリ。

一番のは大きいのはストーリー面。ゲームを進めていって「こりゃもう駄目だ」って思いましたからね。
どのような点が駄目かというと、

・タイムパラドックスものである
 (筆者が苦手としているシナリオのやり方。カップルの子供達が出てくるのもこのせい。)
・全体的にストーリーが淡々と進む
 (「ここが終わったら次はこっち!」みたいな感じで進む。意外性があんまりない)
・キャラクターの見せ方が悪い
 (従来の作品のように「憎たらしい敵」や「仲間になりそうでならない敵」いるにはいるが露出が少ない)
・ストーリーが二部仕立てなせいで双方の悪役の魅力半減。
 (詳細は後述)

ざっとこんな感じです。
特にタイムパラドックスのお話は捻りが無いというか、単に「未来の子供達が助けに来る」だけの展開で、更に子供達は「過去に来たはいいが戻る方法が分からない」という始末。エンディングでもここら辺は一切言及されていません。ただ時を超えること以外のフォローが一切無いという詰めの甘さが目立ちます。
ストーリーが二部仕立てになっているのも少し残念。前編は従来のように敵国家と戦争して勝利するというお話ですが、これが10章でおしまい。外伝を抜いて全部で28章なので大半が後編に費やすことになります。
後編は「別の大陸が何かヤバイらしいから戦おうぜ」みたいなノリで始まるため、イマイチ戦争してる感じがないというか、ドラマ感が薄いんですよね。
後編で敵となるヴァルム大陸の王で己の信念を貫き通すヴァルハルトや非常にキモ憎たらしい軍師エクセライ、善人ながらも敵として立ちふさがらなければならない剣士レンハなど、掘り下げればいくらでも魅力がありそうなキャラクターもいるのですが前述の通り後編という限られた状況かつ見せ方が悪いので全然印象に残りません。残念です。(´・ω・`)

システムに関してもストーリーが後半になってくると支援関係も発展していくのでダブルやデュアルシステムに頼りがち。基本的にAまで支援を組んでダブル状態にしたユニットを敵陣に放り込めばボコスコ倒してくれます。まあ、そうでもなきゃ辛い場面も無いこたぁ無いんですけどね。

最後に今作の目玉でもある課金DLC(有料サービス制度)について。
今作では任天堂初の課金DLCが導入された作品でもあります。今まで無料サービスが実施される中の有料制度ですが、中身は過去作の主人公を仲間にできるマップを遊べたり、大量の金や経験値が稼げるマップもプレイできるなどかなり充実した内容になっているのでお金叩いてでもやってみる価値はあると思います。ただマップ1つあたりの価格は300~400円ほどなのですが、おそらく量がとんでもないことになるので総額5000円は下らないと思います。やっぱりご購入は計画的に。


総評。
シナリオ面で詰めの甘い部分こそありますが、シリーズの集大成というコンスプトは伊達ではなく、プレイヤーをやりこませる要素は多数存在します。結婚システムを始めとして寄り道要素が多いためクリアするまで非常に時間が掛かりました。(笑)過去作品をやったことがあるプレイヤーなら間違いなく楽しめる作品ですので、是非ご購入を!
[ 2012/05/13 23:27 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(6)

レビューNo.23 ファイアーエムブレム 烈火の剣

私は力を得たのだ。

それ以外に大切なものなど何もない。

【竜の門】を開き、

私はさらなる力を得る・・・

何者にも負けぬ力を・・・

力を・・・



ファイアーエムブレム 烈火の剣
烈火の剣
ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:5040円


シリーズ第七弾にしてGBAシリーズ第二弾。
前作『封印の剣』と世界観は同じく、20年ほど過去に遡ったお話になります。
FEのGBAシリーズは全三作で、どれも基本的なインターフェイス・システム周りは同じです。
つまりGBA三作は数少ない部分で差別化を図らなければならないということです。
特に今作『烈火の剣』は『封印の剣』と世界観が繋がっていることもあり、露骨に改変するわけにもいきません。
そんな今作の出来栄えは如何なものか?

指揮官がロイ一人だった前作とは違い、今作は主人公三人からなる二部構成の壮大なストーリー。
サカの草原の民でありながらも貴族の血を引く少女リン、フェレの子爵であり前作の主人公ロイの父親でもあるエリウッド、名門貴族の出身でありながらもとても貴族とは思えない豪傑さを誇るヘクトル。この三人の主人公でストーリーが進んでいきます。

総章数は外伝含めて40章以上。内序章~10章がチュートリアルとなるリン編11章~終章ではリン編から時が流れ、新たな旅立ちを迎えるエリウッド編又はエリウッド編をクリアした後にプレイできる、物語の裏側に迫るヘクトル編から成り立ちます。

前作は殆どのユニットが死んだらそれっきりの為、イベントに関わるのはロイと極一部のユニットのみ。仲間になるユニットは多いのに、それらの人物は出てきた章以外はイベントにあまり関わってこないのが残念でした。
しかし今作では主人公が三人になったことでイベント中は三人による会話が主な内容になったかつ、軍内の重要ユニット(マップ上で死んでも撤退扱いになる)が増えたため、イベントでは実に多くの人物が関わってくるため非常に充実した内容になっています。また仲間になる総ユニット数が前作より減った分、イベントに関わってくる通常ユニット(マップ上で死んだらその場で死ぬ)も増えました。

とにかく今作で特筆すべきなのはしっかり堅実に作られたストーリーにあります。
大陸全土で戦争が起きたため、大陸中をえっちらこっちら大忙しで進軍していた前作とは違い、今回は戦いの起こる場所が局地的のためストーリーはじっくり進んでいきます。
またシリーズで唯一戦争が起きない作品に仕上がっており、「世界を滅ぼさんとする悪者を倒す」という非常にファンタジー色の強いストーリーとなっております。
これだけ見てしまうと不満を覚える方もいるでしょうが、戦争が起こってないからこそ「このまま戦いを続けたら戦争になってしまう」と戦いを止めるべく戦い続ける主人公側達の描写は秀逸です。
また戦争モノに付きものの「侵略者」は存在せず、それでも敵として主人公達の行く手を阻む暗殺集団「黒い牙」達の行動倫理、組織内で起こる分裂、人物の心理描写などストーリー面には全く飽きることはありません。
つまり今までの作品とは「敵」「味方」の定義が違って見えてくるのです。戦争とは違う勢力同士の戦いは、ある種戦争以上に陰湿で残酷なものがあります。それが今作一番の魅力だと考えます。

システム面では「支援会話」のログ機能が追加。会話自体の内容も強化されており、コレクター要素が一層強くなりました。

また「総合評価」も継続されただけでなく、こちらもログ機能されただけでなく、高評価を得る難易度が非常に高くなりました。
ターン数を1、2ターン無駄にしただけでも攻略評価がガクッと下がり、高価なアイテムを濫りに使用したり売り払うと資産評価に取り返しのつかないぐらい影響を及ぼしたりと、非常にシビア。
総合評価Sへの難易度は急激に上昇する結果となりました。

またゲームバランス面も前作より強化。
全体的に武器の命中率がアップ。また前作で猛威を振るった「ソードマスター」の弱体化など、再び斧が活躍の場を見出せるような状況になりました。
また新たに「修道士」「アサシン」のクラスが追加。前者は光魔法を専門に使う魔道士で、前作では光魔法は「僧侶」がCCした後しか使えなかったので非常に不遇扱いされていた魔法でもあります。後者は「盗賊」がCCしたクラスで、前作ではCCできなかった盗賊が、これにより一気に一戦力へ起用できるようになりました。どちらも前作のゲームバランスの改善に一役買ったと言えます。

今作も前作同様ハードモードが実装。
エリウッド編のハードモードは手応えも中々で非常に楽しめる内容なのですが、ヘクトル編のハードモードは一転、エリウッド編ハードとは比べ物にならない程の鬼畜難易度を誇ります。敵配置・増援・装備の変更、ステータスの強化、ルーチンの変化などかなり手強い仕様になっており、これで総合評価Sを狙うとなると相当な拷問になります。ある種トラナナをも凌ぐ難易度と言えるでしょう。

前作よりも完成度はより一層高くなっていますが、例の如く批評点も挙げておきましょう。

まず今作では今までできた「出撃準備画面からの買い物」ができなくなりました。これにより買える時に必要以上に買い占めておかないと「武器不足による詰み」の危険性が増すことになります。特にヘクトル編ハードでは…

またハードが手強い反面、ノーマルは非常にヌルい難易度に仕上がっています。終盤の上級職でもステータスが二桁に達してない敵ユニットもザラではありません。質が無い分物量で攻めてくることもありますが、正直強いユニットによる無双で全てが終わってしまいます。敷居が低くなったとも言えますが、せっかくバランス面を調整したのにこれは残念です。

後はストーリー面での非常に惜しい点。
イベントで殺されてしまう人物が、終盤のイベントで生き返ってしまうのです。
シリーズでも失った仲間を生き返らせる方法がありましたが、今作はCMで「失った仲間には二度と会えない」と堂々と言っているので、公式が嘘をついたことになります。
それにマップ上の戦闘で死んだユニットを生き返らせるのならまだしも、イベント中に死ぬ(=その人物が死んで初めて話が進む)という展開でわざわざ生き返らせてしまうのはあまりにもご都合主義すぎます。

FEに限らず、創作モノで「死んだ仲間が生き返る」という展開は筆者にはどうも苦手です。
筆者にとっての創作モノの死人とは「死んでナンボ、生き返させるなんてとんでもない」という考えを持っています。(ドラゴンボールは例外)仲間が死んだからにはそこには「その仲間の死を悼む同僚とのすれ違い」、「死に対する恐怖や葛藤」「仲間の死という現状をどう受け止めるか」など様々なドラマが生まれ、それらの過程を得て主人公達は一層成長し、先へと進むもんだと思ってます。二次元に限らず「人の死を受け入れる」というのは難しいことですが、それだからこそ成長した後の姿が光るってもんです。
実際今作でも仲間の死を前に主人公の一人であるエリウッドは酷く打ちのめされ、迷いながらも一つの結論に辿りつくことができました。ちゃんとドラマは出来上がってるワケです。
それらのシーンは「その仲間が死んだから=生きていては成り立たない」ワケですから、その人物が生き返ってしまっては全てがオシャカになってしまうと私は考えてます。
せめて「制限時間付きで生き返る」っていう設定だったらなぁ… 幾分マシな印象だと思うんですが。
本当に惜しい点です…(´・ω・`)


総評。
ゲームバランスを改善・強化し、ストーリーも一級品に仕上げた一作。
その絶妙なバランス(ノーマルは除く)でGBA作品の中では一番気に入ってる作品でもあります。
ノーマルモードも制限プレイをしたい時には丁度いい難易度なんですけどね(´・ω・`)
前作との接点こそありますが、時系列的には過去なのでプレイする際には支障はありません。
…と言っても前作をプレイ済みであれば少しニヤリとできるシーンもあったりするので出来れば前作もプレイしてほしいところ。
中古ショップなどで機会があればどうぞ。
[ 2012/05/05 17:05 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(1)

レビューNo.22 ファイアーエムブレム 封印の剣

私は強い・・・私は賢い・・・

私は美しい・・・私は正しい・・・

誰よりも・・・誰よりもだっ!



ファイアーエムブレム 封印の剣

封印の剣

ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:4800円

トラナナが発売されてから月日も進み、ゲーム市場には新たにゲームキューブやゲームボーイアドバンスが参入。
長年続くシリーズでは新規ハードの登場と共に新作が出るのが当たり前。
というわけで発売されたのが今回紹介する『封印の剣』。
当時時を同じくして発売されたスマブラDXの人気もあって、新たな購入層も多かったとか。
実はこの作品、筆者が最初にプレイしたFEシリーズでもあります。
思い出深い作品でもあるので、気を引き締めて解説していきましょう。

世界観は一新され、今回の舞台は「エレブ大陸」に移り変わりました。
ユグドラル大陸のような膨大な数の国の数は控えめになり、覚えやすくなりました。
質実剛健をモットーとする地味ながらも武力に優れる「ベルン王国」
ベルンとはかけ離れた華やかな文化を持つ「エトルリア王国」の二大勢力が中心となり、
その他にも二大勢力に対抗すべく諸国が寄せ集まった連合国家「リキア同盟」、草原を転々とし、様々な遊牧民の部族からなる「サカ部族」、年中土地が雪に覆われている為傭兵稼業が盛んな「イリア諸騎士団」など特徴も掴みやすいものばかり。

物語はベルンが突然各国に侵攻を始まります。今作の主人公ロイはリキア同盟の一国家フェレの出身。エトルリアに指揮官について留学中でしたが、ベルンの侵攻により父エリウッドに帰還を求められ、祖国フェレへ急いで向かうことに。

基本的なインターフェイスやシステム周りに新しく追加されたものはなく、前作の「かつぐ」は「救出」に名前を変え、「三すくみ」は続投。代わりに「スキル」や「捕獲」は廃止。今までの集大成らしく、非常に使いやすいシステムになりました。

そして今作の目玉である「支援システム」が新登場。
これはマップ上で特定のキャラ同士を隣接させ続けると「支援」というコマンドがでてきて、お互いのユニット同士が会話をする、というような内容になっています。この内容がまたギャルゲ染みたものギャルゲ染みたものとかギャルゲ染みたものなど満載です。中にはキャラクターの隠れた素性などが垣間見れるものも存在するので会話を見ていくだけでも非常に楽しい。支援はC→B→Aと三段階まであります。
またこの支援システムには文字通り、お互いのユニットを攻撃力アップや敵の必殺率ダウンなど、お互いのユニットを支援する仕組みもあります。C→B→Aの順番で強力になり、最大で命中・回避において15%ほどの数値をたたき出すことも可能。攻撃面においては3ほど上昇できるので、痒いところに手が届く感じです。

難点としては支援できるユニットはゲーム内では確認できないことです。面識がありそうなユニット同士なら大体支援会話が発生しますが、中には意外な人物と支援会話が発生できることも。しかしそういう会話で意外な事実が発覚するのですから憎めないものです。しかしこの辺りのフォローは欲しかった。
またAまで到達するのに途方も無いターン数が掛かったり、ログ機能も無いなど収集モノとしてはイマイチな設定です。ギャルゲなのに…

なおこの支援システムの導入によりエンディング内容が変化するようになりました。
今回は試験的な試みのせいか、エンディングが変わるのは主人公のロイのみ。
ロイの支援相手の内の六人は女性。つまりその内の一人と支援をAにすればめでたく結婚することになります。やっぱりギャルゲだった!

更にクリア後には「トライアルマップ」というお楽しみ要素が追加。
新たに用意された難易度高めのマップ(実際そうでもない)をクリアまでに使ってきたユニットに加え、今まで戦ってきたボス達や重要な仲間達がトライアルマップ専用の自軍ユニットとして使うことが出来ます。ただし最初に使えるユニットはたった一人で、増やすにはその数に応じて本編クリア回数を増やさなければいけません。仲間になるのは8人。かなりの苦行ですが、本編のボス達でマップを攻略するのも楽しいですよ~

そして今作から「ハードモード」が追加。
名前の通り本編の難易度上昇版で、「敵の強化」「援軍の増加」「初期配置の変化」などかなり手強い強化が施されています。プレイヤーのスキルが試されますが、敵から寝返るユニットもハードモードによる能力値の強化(通称ハードブースト)が施されているので彼らを強化すればかなり強力な戦力になってくれます。

なお今作でも「総合評価」のシステムが実装されていますが、評価の基準が結構甘く、毎章20~30ターンとか掛かっても意外と攻略評価がAをとれてしまいます。全評価Aで取れる総合評価Sも意外と簡単に取れます。

新たなシステムを導入し、主に周回のプレイの楽しみが増えた今作のFE。
ただし、今回も新たなシステムによる調整不足が散見されます。

今までのFEはシュミレーション補正(?)のせいで「敵の攻撃は当たりやすく、味方の攻撃は外れやすい」というジンクスを抱えていました。シリーズで一生解消されることのない、永遠のジンクスです。
それを解消しようと試みたのが「実行命中率」という隠れシステム。
これは「表記上の命中率で51%以上は上方修正がかかり、49%以下は下方修正がかかる」というもの。
つまり、表記されている命中率と実際の命中率は違う値なのです。これが「実行」命中率というもの。なお修正率は50%から離れるほど高くなります。
これにより味方(=敵よりもステータスが上なので命中率も高くなりやすい)の攻撃が当たりやすく、敵(=基本ステータスは低いので命中率は下がりやすい)の攻撃は外れやすい、というワケです。
しかしこれにより支援システムも手伝ってほぼ回避ゲーになってしまうのです。武器自体もそこまで命中率が高いわけではないので尚更です。
そもそもこんなシステムがあっても敵の30~40%は相変わらずバシバシ当たります。隠してまで何の為のシステムなんだか。やっぱりジンクスは解消できない…

さらに「剣士」の上位クラス「ソードマスター」がとんでもない仕様。
何と常時必殺率+30%の特性を持っているのです。自身の技と速さの高さも相まって「敵の攻撃を回避→必殺乱舞で死屍累々」という回避ゲーを象徴しているような自体に陥ります。
しかし章を重ねる度に難易度が上がっていくゲームの前に、プレイヤーはこのソードマスターの強さに酔いしれやすいのも事実。実際筆者も何度もお世話になりました。悩ましいところだなぁ…


総評。
作りこみが甘い部分もありますが、前作の鬼畜仕様を上手いこと廃止したのは良い点です。
実際ゲーム難易度もヌルすぎず難しすぎない、程よい高さであります。
GBAでこの完成度ですから、筆者的にも大満足の作品です。
ちなみにストーリー部分の言及が少ないのは良くも悪くもないので特に言うことが無いからです。ご了承を^^;
現在はもう新品は出回ってないので中古で買うしか無さそうですね。
機会があれば手に取ってみてください。
[ 2012/05/04 18:45 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(1)

レビューNo.21 ファイアーエムブレム トラキア776

「私は、セリス公子や私がきみよりえらいとは思わない

いちばん年下だったきみが もっとも困難な中で成長し 誰よりも長く戦ってきた

それが聖戦士でなくして いったい何だというのだ!

リーフ王子 もっと自信を持て!

きみはまぎれもなく ノヴァの意志をつぐ聖戦士なんだ!」



ファイアーエムブレム トラキア776
トラキア776
ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:5200円


ファイアーエムブレムシリーズ5作目の作品にして…
…今なお語り継がれる、シリーズ最高難易度を誇る鬼畜ゲー
恐らくリセット回数はシリーズでも屈指。もう何回やり直したか分かりません。
今回はこの鬼畜ゲー、『トラキア776(以下トラナナ)』をズバッとぶった切っていきましょう!

世界観は前作『聖戦の系譜(以下聖戦)』と同じくユグドラル大陸。
主人公は『聖戦』でも登場したレンスターの王子リーフ。かつてはセリス軍の一ユニットでしかなかった彼ですが、今作では見事に主人公へ昇格。同じく『聖戦』では一ユニットに過ぎなかったトルバドール、ナンナもヒロインへ昇格。二人ともお互いの立場を意識した()活躍っぷりを発揮してくれます。

ストーリーは『聖戦』でいう6~8章辺り。両親であるキュアンとエスリンを失い、祖国レンスターを滅ぼされるも何とか護衛騎士フィンにナンナと共に連れられ脱出に成功。
逃亡の末に辿りついたのは一つの小さな村。村の長であるエーヴェルは彼らを快く引き入れ、以後15の時までリーフは村でフィンやナンナ、エーヴェルや村の仲間たちと共に仲良く暮らすのでした。
そしてリーフが15歳になったある日… 帝国軍の追手がリーフの住む村までやってきたある日、遂に運命が動き出す…

ゲームシステムについてはまず前作で取っ付きの悪いシステムをほぼ全て廃止。「ユニット間でアイテムの受け渡しができる」「追撃・必殺はステータス依存」など懐かしいシステムが戻ってきました。
前作にあった「スキル」は一部効果を変更して継続。三すくみも命中・回避補正が20%→5%に下方修正して継続。
これより基本的なシステム部分は前作よりもバランスがとられました。ここだけ見れば、の話ですが…

更に今作でも新たなシステムを導入。ユニットごとに「体格」という数値を導入しました。これは文字通りユニットの体の大きさを数値化したもので、この数値の分だけ武器の重さを相殺できるようになりました。この恩恵を大きく受けたのが前作まで不遇だった斧系の武器で、斧の重い重さを体格で相殺して剣と変わらない攻速を発揮することができたのです。しかも斧を専門に使うユニットはガタイのデカイ者が多いので、ますます恩恵を受けやすい。遂に斧は憂き目を晴らすことができたのです。

更に「体格」の実装によりユニットを「かつぐ」ことが出来るようになりました。担がれたユニ
ットは一時的にマップから姿を消せる代わりに、担いでる方のユニットは能力値が半分になるというハンデを背負います。上手く使いこなせば一撃離脱やピンチなユニットを救ったりと大活躍できます。

その他「指揮レベル」が追加。一部のユニットには指揮レベルとして☆マークが追加されており、その☆マークの数だけ軍のユニットの命中・回避率が上がる仕組みになっております。軍というからには当然敵ユニットにも指揮レベルが存在します。中にはとんでもない者も…

また今作ではマップのクリア条件に「離脱ポイントへ脱出」というものが加わりました。
所謂「敵から逃げる」マップで活躍し、敵の攻撃を凌ぎながらも決められた離脱ポイントへ行き、「りだつ」しなければいけません。しかし先に主人公であるリーフを離脱させてしまうとその時点でマップクリア扱いにされてしまい、残っていたユニットは捕虜となり専用の「捕虜救出マップ」まで行かないと救出できない状況になります。これらの事態はゲーム内でも危惧されているのでご注意を。なお一部の行動をとると敵も同じく離脱する時があります。

また今作から「索敵マップ」が登場。周りが見えない暗闇の中を視界を確認しながら進んでいくマップなのですが、これが敵はおろか、マップのディテールすら何も見えない真っ暗闇という鬼畜な仕様。
ちなみに敵はハッキリとこちらの位置をとらえて攻撃してきます。インチキだ!

これらのシステムはバランスが取れる意味やゲーム性の進歩で成功を収めたため、次回作以降でも姿を変えながら実装されることとなります。本当にここだけ見れば、の話なんですけどね…

ここからはトラナナ特有のシステムについて。
本作では特別に魔力=魔防となり、レベルアップで体格や移動力まで上がるようになりました。
ただし移動力の成長率はほんの数パーセントしか無いため、レベルカンストまでに1、2回上がれば上々です。

本作では普通に敵を倒すのとは違い、こちらの能力を半分の状態にして倒す「捕獲」というシステムを実装。この「捕獲」で倒した敵は攻撃したユニットが「かつぐ」ことができ、敵からアイテムを奪うことができます。捕獲したままではいつまでも能力値が半減したままなので、用が済んだら「解放」してあげましょう。
もちろんボスにも有効。ボスを普通に倒した場合と捕獲してから解放する場合ではボスの散り際の台詞が変化するのも特徴。また、今作ではボスを捕獲したまま解放せずにクリアするのが外伝や仲間になる条件になる時もあります。非常に便利そうに聞こえますが、捕獲するにはこちらが相手より体格が上でなければならないし、仮にも能力値を半減した状態で戦うのですから相手に回避された場合のリスクは普通に攻撃した場合の比べ物になりません。非常に使い辛いシステムです。
例によって敵も捕獲行動をしてきます。しかも敵がこちらのユニットを捕獲した場合、捕獲と同時に捕獲されたユニットの持ち物を全て没収されてしまいます。取り返すにはその敵ユニットを捕獲しなければいけませんが、モタモタしていると敵が離脱して捕獲されたユニットは捕虜になってしまいます
また敵の装備を奪う手段として、シーフの「盗む」コマンドが大幅強化されました。
こちらのシーフが相手ユニットの素早さを上回れば実行可能で、自身の体格よりも小さいアイテムであれば何 で も強奪可能。今作では「体格」もレベルアップで上がるので、ムキムキ育てれば何だって盗めちゃいます。ラスボスの持ち物だって例外ではありません

そして今作のお邪魔システムその一、「疲労システム」
これはユニットが戦闘や行動をとると「疲労」のポイントが1上昇し、ユニットのHPを超えると次のマップでは出撃できなくなるというシステムです。次の章で敵を説得する重要なユニットがいても疲労状態になってしまっては出撃できません。一応疲労ポイントをゼロにするアイテムはありますが、高価な上に入手場所も限られてくるのでかなり不便。製作者側としては一人のユニットによる無双を避けたかったのでしょうが、プレイヤーの間では不満の声が多かったそうです。そりゃそうだ。

お邪魔システムその二、「追撃必殺係数」このシステムはかなり厄介ですよぉ。
通常戦闘前には自分とこちらのHP・ダメージ・守備などに交じって必殺率の値も表示されています。必殺率30%を誇るキル系武器を装備すれば当然表示されている必殺率も30%上乗せされます。これはごく普通のことなのですが、何と今作ではこちらが与える一発目の攻撃では必殺率は25%までしか適用されず、追撃時にユニットごとに設定されている「追撃必殺係数」の値を25に掛けたものが追撃時の必殺率になります。
追撃必殺係数の値は0~5まで設定されており、4以上の係数を持つユニットは、必殺率を限界まで上げると追撃時に必殺率が25%×4=100%となり、確実に必殺が出るようになります
これだけ見れば嬉しいですが、係数が0のユニットは目も当てられません。というか、戦闘前では必殺率が26%以上に表示されているのにそれが全く信用できないとはどういうことでしょう?
一応敵ユニットにも設定されていますが、終章のユニットを除いて殆ど0です。

さて、一通りシステムは解説したので、いよいよ本題である「シリーズ最高難易度」について語っていきましょう。

まず、このゲームの命中率に100%と0%は存在しません。最高は99%、最低は1%に設定されています。これはゲーム内で出てくる重要な敵キャラを自軍のユニットの攻撃で殺されないために、「1%の確率で避けている」という演出のためなのですが、このおかげで命中・回避において絶対な信頼を得られない結果となってしまいました。
「100%が無いからって、所詮1%違いだろ?」と思っている貴方、今作ではいくら高い命中率を誇っていても ス ッ カ ス ッ カ 外れます。99%もその気になれば連続で外れます。代わりに敵の1~10%台の攻撃はバシバシ当たります。何なんだこのゲームはぁ!?嘘だと思うなら是非プレイしてみてください。そして絶望してください。

更に今作ではゲーム開始時の所持金は0G。更に店で売っている武器は数千Gを必要とするほど物価が高騰している為、武器を手に入れるには敵を捕獲して身包みを剥ぐか、その捕獲して手に入れたアイテムを売り払って店で買い物するしかありません。要するに今作は捕獲無しでは何もできないのです。プレイヤーはゲームが始まっていきなり取っ付きの悪い捕獲行動に慣れなければいけません。嘘だと思うなら是非プレイしてみてください。そして絶望してください。

序盤で上手く武器を調達できても三章でリーフが敵軍に捕まってしまう為、それまでいた大多数のユニットと一時的にオサラバしなければいけません。それからリーフは脱獄して仲間達と合流するのですが、脱獄途中で仲間になるユニットは(室内戦もあって)殆どが剣を主体に使うユニットばかり。その時までに手に入る剣は微妙な量で、脱獄途中で剣を調達することも可能ですが難易度が高く、脱獄中は本気でアイテム不足の危険が募ります。嘘だと思うなら是非プレイしてみてください。そして絶望してください。

もちろん敵の増援も鬼畜そのもので、ターン数が多く続くものや圧倒的物量で迫ってくるもの、もしくはその両方が出てくることなんて日常茶飯事です。まともに対応していくと真面目に武器が不足することもあります。
余談ですが今作では敵ユニットのステータスのバラつきが激しく、「同じレベル、クラスのユニットで一方が力10で、その隣にいるユニットの力が15だった」とか普通にあります。極まれに同じクラスなのに移動力が違うという事態もあります。嘘だと思うなら是非プレイしてみてください。そして絶望してください。

「闘技場で金もレベルも稼げばトラキアなんて楽勝ですわwww」と思った貴方、これ以外の作品ならそれもできたでしょうが、トラナナはそこまで甘くありません。
まずどのクラスもHP以外の能力値の上限が一律20に設定されている為、ソードマスターのような回避重視のユニットにも何れ限界が来ます。

ご覧のあり様だよ

歴代最強ソードマスターとも言われる彼女もこの有様。

更に今作の象徴とも言える「杖の仕様」が鬼畜中の鬼畜中の鬼畜

まずリブローやスリープなど広範囲に広がる杖は全て射程無限
それだけならまだしもスリープやバサークなどの状態異常系の杖はこちらの魔力が相手の魔力を上回れば必中になり、しかも一度かかった状態異常はレストなどで治さない限り、永遠に治ることはありません。スリープを喰らってしまい、なおかつ治す手段が無ければ文字通り永眠してしまいます。
ライブなどの回復系の杖は使用者の技の関係で外れることもありますが、状態異常の杖は技に関係なく必中です。嘘だと思うなら是非プレイしてみてください。そして絶望してください。

杖に関して余談ですが、バサークの状態異常にかかってしまうとそのユニットは敵味方関係なく攻撃するようになってしまうのですが、何とこちらからもバサークにかかった味方に攻撃が可能になります。この仕組みを利用して敵の密集している地点にバサークを撃てば壮絶な仲間争いを見ることが出来ます。

絶望的な雰囲気が漂うシステムですが、ゲーム内の雰囲気もそんなもんです。
貴族ばかりで華やかな「聖戦」を繰り広げる前作『聖戦』とは裏腹に、今作で仲間になるのは殆どが平民。ロプト教団が力をつけ、リーフが元々逃亡の身からも分かるように、リーフが「祖国奪還」を掲げて旅立つ状況としては決して有利ではなくむしろ圧倒的に不利なのです。(そもそもリーフが旅を始めたのも帝国軍がリーフの住む村を襲ってきたから。つまり「これ以上逃げることはできないから」である。)帝国側としてはリーフの行動など所詮「小勢力が足掻いてるだけ」程度の見方しかしておらず、それでも手加減をしない帝国の対応が例の「圧倒的物量の増援」などに表れているのです。リーフの旅は常に絶望と隣り合わせなのです。(現に一度ゲーム内でリーフは敵軍に捕まる)
そんな旅の中で「全員無事に目的を果たそう!」などということは言えず、「撤退できなかった味方は全て捕虜になる」など、所々で「犠牲を伴わなければ目的を達成できない」という描写が多々あるのも特徴。シリーズの生みの親でもある加賀昭三氏はこのゲームに「滅びの美学」というものを提唱しています。

しかし主人公であるリーフは「絶望なんてとんでもない」とひたすら理想に走る、主君にするには経験の薄い少年。大陸中の平民が日々の生活に喘ぎ、貴族暮らしとは程遠い田舎村で育ったにも関わらず「ひもじい思いはしたことはない」と周囲の苦労も考えず、いくら汚いとはいえ敵が使ってきた戦法に「これがあなたたちのやり方なのか」敵の目の前でイチャモンつけたり、挙句働きたくても仕事がなく、使い走りばかりされ続けた者たちが謀反を起こした際には「どうして彼らはまじめに働けないのだろう」と甘ちゃん丸出しの発言ばかり。
そんな大甘な彼に苦言を呈するのが軍師アウグスト。単なるリーフの補佐役ではなく、時に叱責しながら「理想ばっか追い求めるな」と言わんばかりにリーフに世界の暗黒面を説き、その為にリーフは何をすればいいか、どうあるべきかを時間を掛けて教えてくれます。

また同じくリーフの軍師役であるドリアス。彼は従来のようなリーフの補佐という感じで、レンスターの騎士らしく騎士道に満ちた教えをリーフに説いてくれます。しかしリアリストであるアウグストはこの騎士道精神をよく思わず、たまに起こる二人の意見の言い合いのシーンは中々の見ものです。

ドリアスとアウグスト

右がアウグスト、左がドリアス

さて最後にこのシリーズ最高難易度を誇るトラナナの中でも、特に難しいと呼ばれるマップを紹介しましょう。
そのマップとはゲーム終盤に訪れる、第24章外伝「ロプトの祭壇」
公式も「シリーズ最高難易度を誇る章」と認めてます。少しは自重してください。
さてさてどんな仕掛けが待っているのか? 簡単に説明していきましょう。

・索敵マップである(周りが見えない)
・離脱マップである(全員を特定の場所まで移動しなきゃいけない)
 ・案の定離脱ポイントはスタート地点から離れてる
・スリープ、バサーク、サイレスの状態異常のオンパレード
 ・しかも敵は魔力が+5される特殊な床にいる為防ぎにくい
ヘル(相手のHPを1にする)ヨツムンガンド(相手を毒状態にする)のフルコンボ
 ・更に敵はリワープ(自分にワープをかける)を使って何処にでも移動してくる
・遠距離魔法も的確に飛んできます
・特定の地点に待機してしまうと折檻部屋という小部屋に強制移動される
 ・折檻部屋の中はスリープの剣(当たると強制スリープ)持ちマーシナリーと毒の弓持ちスナイパーがお出迎え
 ・もちろん彼らは毎ターンの如く増援として現れます
 ・なお折檻部屋から出るには味方にレスキューしてもらうかリワープを使うしかない
・離脱ポイントに急ごうにも捕らわれた仲間がいる為救出しなければいけない(無視してもOK)


( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)

これが…現実です。多分ドSもここまで鬼畜なマップは考えられないでしょう。
一応外伝章なので外伝条件に引っ掛からなければパスすることも可能です。
しかしここまで来て章を抜かすのもアレだし、何より「捕らわれた仲間」というのはリーフとはおよそ20章ほどもの間会えなかった人物。ここまで来て助けたくないわけはありません。
クリアした見返りとして、再会できた仲間とリーフ達との会話がとても感動できます。この一連の会話を聞けるだけでもこの章はやる価値があります。こうした苦しみを経てこそリーフはトラキアを束ねる国王へと成長するのですから。

四面楚歌

24章外伝のとある風景。あの頃私は若かった。


総評。
初見殺し。シリーズ最高難易度の名は伊達ではありません。
しかし難易度自体も高いですが、初見殺し的な要素が多くを占めているので、時間を掛けてパターンを掴めばそう難しくはありません。一部を除いて。
とても万人に勧められるようなゲームではありませんが、普段のFEとは違った歯ごたえを求めているならば、…まあ、やってもいいかもしれません。
ただしプレイするにあたっては、今まで培ってきたFEの常識を捨てなければいけない可能性もあります
とにかく甘く見ていてはトラナナはクリアできません。この特有のシステムにどれだけ柔軟に対応できるかが求められます。
現在はWiiバーチャルコンソールで配信中です。
[ 2012/05/03 20:40 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(6)

レビューNo.20 ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

しね! ハイエナどもめ!!

このゲイボルグあるかぎり

お前達には、負けはしない



ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

聖戦の系譜



ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:7500円


ファイアーエムブレムシリーズ四作目にあたり、シリーズ屈指の異色作として知られる一作。
面倒臭過ぎるアイテムの受け渡し、結婚システム、所持金のユニット別管理性、陰鬱な展開…
しかしそれらの要素が逆に病みつきになってしまうことも事実。
現に筆者もプレイを続けて、このシステムの運用に四苦八苦することこそが醍醐味だと感じてしまったり。
祝レビュー20回目を飾るにはやや異端なゲームですが、いつものテンションでお送りいたします。

物語の舞台はユグドラル大陸。
七つの小国が合わさったグランベルを中心に、五ヶ国の周辺国家を持つ巨大大陸であります。
とにかく今作は国が多い上にほぼ全ての国が話に関わっていくので、ちゃんと国の名前・立場及びその国に属する人々の名前などを把握しておかないとややストーリーが分かり辛くなります。筆者もゲームを初めていきなり説明される諸国の名前にちんぷんかんぷんでした。

グラン歴400年、暗黒神ロプトウスがユグドラル大陸に降臨。暗黒神を崇拝する邪教「ロプト教団」が誕生。
ロプト教団の力によりグラン共和国が滅亡。ロプト帝国が成立し、大陸を恐怖に包み込み支配してしまいました。
そんな中反乱軍が立ち上がるも、ロプト教団の前に抵抗も虚しく、ひたすら追いつめられる日々。
とある砦に立て籠もり、万事休すかと嘆きかけたその時、邪神の悪逆に見かねてか天より神が舞い降り、邪神に対抗すべく反乱軍の選ばれし十二人に神の力と武器を授けました。
こうしてグラン歴632年、神より選ばれし十二人は聖戦士としてロプト帝国に立ち向かい、見事勝利。
大陸に平和が戻った大陸に、英雄となった十二人の聖戦士は各地に国を作り上げるのでした。

そしてグラン歴757年。物語はここから始まります。
主人公はグランベルに所属する一国家、シアルフィの王子シグルド及びその息子セリス。
シアルフィはかつて聖戦士の一人だったバルドが建てた国でもあります。
(何故主人公が親子で分かれているのかは後述します)
東方の国イザークで起きた内乱を鎮めるべくシアルフィ含めグランベルの軍隊がイザークへ出陣。
国王バイロンがいなくなったシアルフィの留守は王子のシグルドが守ることになりました。
そんな中グランベルの手薄を好機に、蛮族の国と呼ばれたヴェルダンがシアルフィの隣国ユングヴィに侵略。
ユングヴィと関係の深いシアルフィはユングヴィを護衛すべくシグルドは僅かな兵を率いて出陣。
この戦いが後に大きな出来事を生むことに…

色々なカタカナが出てきましたが、皆様大丈夫ですか?
ゲーム内でもこんな感じで説明されます。これが聖戦の系譜です。

今作のストーリーは親世代(シグルド編)・子世代(セリス編)の二部に分かれております。
どちらも登場するユニットは殆どが聖戦士の血を引く王族や貴族
その為一見赤の他人のように見えても実は兄弟だったり親戚だったりと繋がりの深い関係が多いのも特徴。
敵にも親戚や兄弟、親子までいるなんて日常茶飯事。必然的に血縁関係にある人物と戦わなければありません。
なので今作は「国同士の戦争」と言うよりも「大陸を股にかけた兄弟喧嘩」と呼ばれることもしばしば。筆者も重々納得しました。大陸中で戦ってる割にはどうも箱庭感が否めない。

聖戦士の末裔達は聖戦士の血を継いでるだけあって、成長率が一般人よりも強化されていたり、一族の直系は一族に伝わる伝説の武器(神器)を使うこともできます。
特に親世代の主人公シグルドは聖戦士バルド一族の直系。専用の神器を使える他、高い成長率も兼ね備え、なおかつ最初から上級職でいるなど、主人公の中ではトップクラスの実力を持ちます。

直系   傍系

左がバルド直系のシグルド。右がバルド傍系のエスリン。
画像では分かりにくいですが、直系の者は丸いポイント部分が強く光っています。
なお、このシグルドとエスリンは兄妹関係です。


さてさてシステム解説ですが…これが大変です。
何せシリーズ屈指の異色作品なだけに本作だけにしか使われていないシステムが殆どなのです。
どうやら元々FEとして制作することは考えておらず、上層部の意向でやや強引にFEの名を冠されたようですが…
順番に説明していきましょう。

まず出撃時から。
今作では今までのように出撃メンバーを決めたり、輸送隊から持ち物を受け渡しするといったことはしません。自軍のユニットは全て「本城」に待機しており、この「本城」が敵に制圧されてしまうと強制ゲームオーバーになります。その為敵軍同様、自軍も「本城」を守るユニットを状況によっては置く場合もあります。また出撃メンバーを決めるシステムもないため、基本的に自軍全員をフルで出動させることになります。
この「本城」及び自軍が制圧した城の中にある「街」では前作でいう出撃準備にあたるシステムが備えられています。

本城の中   街に入ったとき



さて肝心の持ち物の受け渡しですが、これが輪にかけて不便極まりない仕様に仕上がっています。
まず、前作までできた、ユニット間の「交換」は一切不可能
持ち物の受け渡しをするにはまず受け渡したいアイテムを「街」にある「中古屋」に売り払い、そのアイテムを受け取りたいユニットが「中古屋」から買い取らなければいけません
今作では軍全体で管理している軍資金というものは存在せず、資金はユニット各自が管理しなければなりません
つまりアイテムの受け渡しがしたければまず金から用意しなければなりません。ユニットがお金を手に入れるのに有力な手段は、村を訪問するか、大金を持ってる盗賊に貰うか、闘技場を勝ち抜くぐらい。重要なアイテムを渡すには当然その分お金も高額になります。特にゲーム内でも特に受け渡しが多いであろう「エリートリング」(持っていると経験値が二倍になる)は引き受け金額40000Gと高額。ユニットの所持金の上限額は50000Gなので、金をフルに持っていてもほぼ全てがこのエリートリングに消えてしまいます。
更にエリートリングが一番欲しいであろう低レベルユニットは闘技場を勝ち抜けにくい為所持金が溜まり辛いのでエリートリングを貰えないという事態が発生しがちです。
低レベルだからエリートリングが欲しいけど、低レベル故にエリートリングが買えない。プレイヤーは如何にこの負の輪廻を打ち壊すかに終始考えさせられます。

また「街」には「闘技場」も備え付けられています。
今までとは違い「闘技場」に出るメンバーは章ごと固定され、7人勝ち抜けばその章では以降使うことが出来ません。
ユニットの所持している武器を自由に使え、勝ち抜ければHPは全回復し、負けても死ぬことなくHPが1残るだけと、かなり簡単な仕様になっていますが、それ故にやれる時にやっておかないとレベル・金不足に陥りがちになります。
また「闘技場」に出るメンバーが固定されてる以上、一部のユニットにとってはどうしても鬼門となる敵が出てきます。
こちらが自由に武器を使える分、相手も勇者系の武器などをドヤ顔で使ってきます。そりゃ鬼門になるわな。

また今作の武器は全て使用回数が一律50に統一されています。(杖は例外)
「おお! めっちゃ多いやん!」と思ったあなた。今作では武器の調達は敵がドロップするものか、「街」にある「道具屋」にあるものを買うかするしかありません。「道具屋」に売ってあるものはそれぞれ在庫が一個ずつ。つまり今作の武器はシリーズの中でも量が少なめに設定されてるのです。「それでは使い切った武器はどうするの?」という問題ですが、回数を消耗した武器は「街」にある「修理屋」で回数上限まで直してもらうことが出来ます。無論お金もかかるし、強い道具ほど多額の修理費がかかるため、やはりお金のやりくりには苦労します。

また本作にはCCに必要なアイテムは存在せず、CCは他と違って「本城」にある「クラスチェンジ」の項目をレベル20以上になった状態で選ぶことで初めてCCできます。他の城ではできず、CCするには「本城」まで戻る必要があります。なおCCしてもレベルは1に戻ることはありません。その代わりにレベル上限は30に設定されてます。

出撃準備に必要な項目はこれくらいです。多分準備の面倒臭さはシリーズ屈指だと思います。

闘技場、お金のやりくり、持ち物の受け渡し、CCなどを済んだらやっとのこさ出撃。
今作のマップはシリーズの中でも最大級の広さを誇ります。それもそのはず、一章で複数の城を制圧しなければならないのです。「戦っている勢力は決して一つだけではない。」という戦争の表現の仕方でしょうか。
とにかくだだっ広いので馬やペガサス、ドラゴンなどに乗ってなければとてもとても動き回れません。
必然的に主戦場には騎馬ばかりで、歩兵が置いてけぼりになります。
一章ごとにやることが多いため、その分章の総数は十二とシリーズでも控えめです。

さて出撃したことでいよいよ敵勢力との戦いです。
今作から遂に「三すくみ」が実装されました。これは剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強いという武器ごとの強弱関係を示しています。
しかし初めて実装した故に調整の甘さが目立つのも事実。三すくみに有利であれば有利な方のユニットは命中・回避率が20%上昇し、逆に不利な方は命中・回避率が20%下降する仕組みで、実質ユニット間で命中・回避率が40%も開いてしまうことになるのです。
この仕組みで最も不遇扱いされてしまうのが斧で、元々命中率が低い上に剣相手では40%もの差が生まれてしまうので、命中率0%もザラではありません。更に斧は重さもかなりのもの。「てつの剣」の重さは3なのに対し、「てつの斧」は18。ちなみに「てつの槍」は12なので、これはむしろ剣の優遇っぷりが問題でしょう。
ちなみに魔法にもすくみは存在し、に強く、に強く、に強く、に強く、に強い…という具合です。やはり一番軽い属性の魔法が優遇されてるのは言うまでもありません。

今作では「スキル」というシステムも新たに登場。
これはユニットごとに更に個性を深めるべく、いわばユニットごとの特殊能力なものです。
スキルは大きく分けて二つ。クラスごとに必ず付いている「兵種スキル」と個々のユニットが持つ「個人スキル」があります。
これにより戦闘における、「攻速の差が3以上なら追撃」「必殺率により必殺の一撃を発動」が廃止。従来の追撃・必殺はユニットが「追撃」と「必殺」のスキルが無ければ発動しなくなりました。
なお今作では必殺の一撃が「威力×3」ではなく「攻撃力×2」に変更されました。
他にもスキルを一部だけ紹介させてもらうと、

・祈り … HPが10以下の時、HPが少なければ少ないほど回避率が上昇する。
・突撃 … こちらが身軽な時(実際は複雑な計算が絡んでいます)、戦闘をもう一回継続する。
・連続 … こちらが攻撃した後、もう一度攻撃できる(実際は複雑な計算が絡んでいます)
・待ち伏せ … HPが半分以下の状態で相手から攻撃を受けた場合、こちらから攻撃できる。
・怒り … HPが半分以下の状態だと攻撃が必ず必殺の一撃になる。
・流星剣 … 技の確率で相手に5回連続攻撃

こんな風に、上手く使いこなせば戦いがグッと楽になるものばかりです。
ユニットが新たに加わったら、まずステータス画面を見てスキルを把握しておきましょう。

以上のことが把握できればあとはいつものFE。フィールドを駆け巡り、敵将を撃破して城を制圧する簡単お仕事です。

さてお次に説明するのが『聖戦の系譜』の代名詞とも言える「結婚システム」。うわーお!
親世代の間は女性ユニットと男性ユニットがマップ上で隣接しあったり、特定のイベントを経て好感度を一定まで上げると何と結婚。さらに子供まで生んでしまうのです!
この親世代の間で生まれた子供たちこそが、子世代で活躍するユニットになるのです。
対象となる女性は7人。殆どが花も恥じらううら若き乙女たちです。
対してくっつける男共は13人。作れるカップリングの総数はなんと91種類! ウッハウハだあ!
しかしこのカップリングでは生まれる子供たちの成長率・所持品・スキル・サブイベントの有無…つまり戦闘においての生命線が決まってしまうのです! 安易な気持ちで小づく…結婚してはいけません。
組み合わせ次第ではどうしようもない子供が生まれることもあれば、とんでもなく強い子供も生まれることもあります。
一見めちゃくちゃシビアそうに聞こえますが、ゲーム内のイベントで「何かこの二人、関係よさそうだな~」と思うようなシーンがあれば、その二人をくっつければ特に問題はありません。もちろん「王道じゃつまらん!」という方は敢えて修羅の道を彷徨って地雷に当たったり、はたまた大当たりになってしまったりすることもアリ。とにかくカップリングの自由度の高さこそがこの作品の何とも言えない魅力なのであります。

このシステムの採用によりFEのギャルゲ…いや、エロゲ度は急上昇。
どのキャラ同士をくっつけるか? 効率的に攻略するにはどうすればいいか? 一体何のゲームやってんだよ!
しかしかくなる私もこの結婚システムにどっぷりハマってしまった一人。プレイ中は攻略サイトを切磋琢磨に閲覧してどのカップリングがベストかを調べ上げた日々が続きました。計画的に好感度を上げてめでたく成立したカップルもあれば、いつの間にか成立していたカップルまで色々。あの時は楽しかったなぁ。

ちなみに何にも考えてないでカップリングを不成立のままにして子世代に進んでしまうと、親世代の子供たちの代わりに「代替ユニット」という代わりの子供たちが仲間になります。これらのユニットは聖戦士の血を継いでない、いわば「平民」です。(一部例外アリ)成長率やスキルなどクセが強いユニットが殆どですが、逆にそこが魅力でもあり、プレイヤーの間では親世代であえてカップリングを成立させずに子世代をプレイする、所謂「平民縛り」というプレイスタイルも出来上がりました。

キュアン   エスリン

キュアン(ノヴァ直系)とエスリン(バルド傍系)のカップルの例。
カップルが成立している場合は「こいびと」の欄にお相手の名前が載るようになります。
なおこの二人は結婚システムのお手本なのか、最初からカップルが成立しています。
主人公のシグルドのカップリングもイベントで強制成立します。


リーフ   アルテナ

そしてこの二人がキュアンとエスリンの間で生まれた、姉アルテナと弟リーフ。
二人共両親が持っていた「連続」と「必殺」のスキルを受け継いでいます。
アルテナの「追撃」スキルは兵種スキルのため、強制的に装備されます。
なおこの姉弟の内、姉のアルテナはノヴァ直系の血を受け継いでいる為、専用の神器を使うことが出来ます。


更に今作からはクリア後の総合評価が追加されました。
これらはゲームをクリアした後に「掛かったターン数の合計」や「上がったレベルの数」など事細かに設定された項目をE~Sまでの評価を付けてもらい、最終的に合計・平均した評価が総合評価になるというものです。
全ての評価でAを貰えば総合評価はAになり、クリア後にちょっとしたイベントが追加されます。
もっとも全ての評価でAを狙うのは難易度が高く、かなり手馴れてないと無理です。それだけに手応えを求めるプレイヤーによる「評価オールA狙い」のチャレンジは幾度となく行われてきた挑戦でもあります。

さて最後に紹介するのがシリーズ一の重さと陰鬱さを誇るストーリー
主に親世代のストーリーにあたり、子世代では親の無念を晴らすべく戦いに挑むような形になっております。
果たしてどのような内容なのか? 真相は、君の目で確かめろ!
…と言いたいところですが、何も話さないのも何かアレなので以下に見辛く書き記しておきました。
どうしても知りたい方は暗転して見やすくしてから読んでください。


物語が大きく動くのは親世代の中盤。
シグルドとその妻ディアドラの間で生まれた息子セリスを守るべく、シグルドはディアドラとセリスを本城に残して戦地に向かう。が、その途中夫の安否を気遣うディアドラがセリスの面倒を護衛の者に任せて本城を出てしまう。
その隙を狙って敵の黒幕であるマンフロイ司教はディアドラを洗脳、誘拐してしまう。
妻が消えたことを嘆く暇もなく、シグルドに新たな危機が訪れる。
グランベルの中心国家であるバーハラ家の王子、クルトが何者かによって殺害されてしまう。時同じくしてクルトの護衛を任されていたバイロンが失踪したことを受け、世間は「バイロンがクルト王子を殺した」と判断。疑いはバイロン及びその息子であるシグルドにもかかってしまったのだ。
(なおクルト暗殺の黒幕はバイロンではない。バイロンの部隊はクルト殺害の黒幕の奇襲にあい全滅、バイロンは傷つきながらも祖国へ逃げ帰るつもりだった。その後バイロンはシグルドに神器を渡した後死亡する。)
濡れ衣を晴らすべく、真の黒幕と戦う道を選ぶシグルド。激戦の末、真の黒幕を打ち破り、グランベル本国からも帰国の旨を知らされ、濡れ衣も晴れたかに思われた。
懐かしのバーハラへと足を踏み入れるシグルド軍であったが、そこに待っていたのは王国近衛司令官のアルヴィスとその妻…ディアドラだった。
何とディアドラはマンフロイによって連れ去られた後、アルヴィスに寝取られていたのだ
全てが罠だったと悟るシグルド。しかし時既に遅し。永遠の口封じにと、アルヴィスは周囲の兵に攻撃を命じる。
降り注ぐメティオと神器「ファラフレイム」の前にシグルド軍は全滅
結局濡れ衣を晴らすこともできず、何も解決しないままシグルドは息を引き取った。
これらの出来事は後世で「バーハラの悲劇」として伝えられている。

シグルド達が無残にも殺された傍ら、シグルド軍の救援に来たキュアン・エスリン夫妻率いるレンスター軍も背後からトラキアの竜騎士軍に襲われ、殺されている。その際にエスリンと共にいた娘アルテナは竜騎士軍に連れ去らわれ、兵力を失ったレンスターも同じくトラキア軍によって滅亡された。これらの出来事は後世で「イードの虐殺」として伝えられている。
子世代はこれらの難を逃れたセリスが19歳になったところから始まる。


重い展開はゲーム内の演出にも表れています。
例えば自軍に味方する第三勢力とそれに敵対する第四勢力の戦い。
こういったシーンは全て実際のマップでの戦闘で行われます
しかも殆どの戦闘でその第三勢力が負けてしまいます
なまじ「ふはは、お前のエーギルをもらうぞ」→「ぐわーすまないライナス」とかいう会話文では済まされません。
殆どの状況で自軍は一切手出しできず、ただ味方が死んでいく残酷な現実を指をくわえて見ることしかできません。
ひたすら残酷で陰湿な戦いが続いていきますが、この戦いを一歩踏み込んで見てみると中々興味深いものがあります。
親世代・子世代にわたって黒幕として君臨し、終始卑劣な手を尽くすロプト教団は人々から「邪神の一族」と忌み嫌われ、無差別に迫害され続けたという過去があります。その為彼らの崇拝するロプトウスは彼らの唯一の光であり、希望であるのです。ロプト教団のボスであるマンフロイはそんな迫害された人々を救うべくロプトウスを崇拝する宗教を作り出したのですから、同情の余地が無いとは言い切れません。
他にも「やり方は汚いが、全ては国民を救う為に戦っている」という軍や「ロプト教団のやり方に疑問を抱くも、雇われた以上は戦わなければいけない」という傭兵団との戦いなど、単なる勧善懲悪では済まされない描写が多々あります。それ故に「絵に描いたような悪者」は批判の的にされやすいのですが…

記事が長くなっていますが、問題点もまとめておきましょう。
前述した通り、今作では剣が非情に優遇されており、特にそれを使うクラス「ソードファイター」は兵種スキルに「追撃」が付いてる上にCCして「ソードマスター」になると兵種スキル「連続」が追加されるため、怒涛の連続攻撃を発動することができます。反面斧を専門的に使う「アクスファイター」、「ウォーリア」などには兵種スキルはありません。あってもどうにもなりませんが。

さらにこれも前述した通り、マップがだだっ広い為歩兵が置いてけぼりになりがちになります。
最も不遇扱いされているのが移動力の低い「アーマーナイト」と「ジェネラル」。能力値もバランスが悪いため、最も経験値を稼ぎにくいクラスと言えるでしょう

さらにこの作品、異様にバグが多いことでも有名。
スキルがらみの戦闘が続くと成長率がおかしくなる、子世代を始める時のセリスの能力値がおかしくなる、ラスボスを騎兵などで倒すとユニットの死亡回数がとんでもないことになるなど。フリーズバグも多数確認されております。Wiiバーチャルコンソール配信版でも修正されてるとかされてないとか。


総評。
FE全シリーズの中でも似ても似つかないような異色すぎる作品。
しかしハマれば病的なまでに面白いことも事実。筆者もプレイする前は不安でしたが、これはハマりましたね。
リメイクを求める声が大きいのも事実ですが、実は兄弟同士が子を成す、要するに近親相姦の描写を含んでいる為現在リメイクするのが難しいのも事実。
しかしいくら異色な要素があれど、敵軍との戦い、いつものアイテム、仲間との絆… これをFEと言わずして何と言うのでしょう?
断言できます。これは正真正銘のFEです。ファンなら是非やってほしい!
恐らく全FEの中でも一押しでオススメしたい作品です。



余談。
バグ画像
今作を紹介しているサイトなどではたまにこの画像を使っていることもございますが、
実はこの画像のシーン、とあるバグを使わなければ見れないシーンなのです
それはどのようなバグなのか? それはまた別のお話。
少し調べれば出てくると思うので、自分で調べてみてください。
[ 2012/05/02 21:58 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(0)

レビューNo.19 ファイアーエムブレム 紋章の謎

まっ・・待ってくれ

すまぬ・・許してくれ・・・


~~~(中略)~~~

と・・・ ゆだんさせといて・・

ばかめ・・・ 死ね!



ファイアーエムブレム 紋章の謎

FE紋章の謎


ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:9500円


シリーズ第一作、『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣(以下暗黒竜)』が発売されて早四年。
世間には既にスーパーファミコンが出回り、多くのメジャー作品の新作が跋扈する時代の中、
シリーズを二作も出したのにファイアーエムブレムだけはどうにも日の目を浴びられない日々が続いてました。
そんな中発売されたのが今回レビューさせていただく『ファイアーエムブレム 紋章の謎』。
第一作である『暗黒竜』の続編にあたる作品ながらも、新たに引き入れる客層のことも考えてか、
『暗黒竜』のストーリーも丸々一本入れるという大盤振る舞い。
新たなストーリーも含めて総計40章以上にも及ぶシナリオはシリーズ最高クラスの大ボリューム。
して、その中身とは如何なものなのか?

私としては、ハードの進化ということで純粋に作品がパワーアップしたように感じます。
所謂正当進化。新参者を引き入れることもあるのでこれは妥当な判断でしょう。
まず第一に、グラフィックの進化
皆様覚えてますでしょうか? 『暗黒竜』をレビューした頃、グラフィックの例としてとある4人を紹介したことを…
それでは今回もお呼びしてみましょう、どうぞー!


                       \ 余分四兄弟です /そっくりさん

…とまあこんな風に『暗黒竜』の頃のグラフィックの難点として彼らの例を挙げましたが、
今作ではハードのパワーアップにより彼らも見事「進化」することができました。
さあ、ご覧ください! 彼らの新たな姿を!


                   \ どや? /
進化した四人

なんということでしょう。
あれほど兄弟顔とおちょくられていた四人が、ちゃんと別人に!(CV:加藤みどり)
え? それでも微妙? ザガロとトーマスが似てるって?
いやいや、たとえ似ていても、全く一致することなくきちんと差別化できていることこそが進歩の証なのです。
この顔グラフィックの他にも地形・戦闘グラフィックなどもハードの進化をしっかり感じ取れる綺麗さを感じます。

ゲーム画面  進化したぜ


ハードの変化によって進化したのはもちろんグラフィックだけではありません。
ファミコンでは容量の都合故か、ゲーム内の情報は必要最低限しか与えられていませんでした。
その為『暗黒竜』ではいちいち戦闘の際の計算はいちいち自分と相手のステータスとにらめっこしなければいけませんでした。
しかし今作では戦闘前に予め相手のユニットHP・力・守備など必要なステータスを表示してくれる仕様になったのです。
更に戦闘中では自分と味方のユニットの命中率・力・守備などが数値で表示されるようになりました。今まではそれらのデータが全てメーターという分かり辛い表示の仕方でした。
GBA時代のFEに慣れていた私は『暗黒竜』をプレイしてる時は「うわ、めんどくせぇ…」と時代の違いを感じましたが、順々にプレイしていって今作をプレイした時には「おお、ここで変わったのか!」と改めて時代の変化を感じました。
また前作ではシビアだった「追撃の発生条件」ですが、今作では「攻撃するユニットの速さ-受けるユニット=3以上」に変更され、バランスの悪さが緩和されました。
追加したシステムなどは殆どありませんが、ここまで利便になったシステムは非情に新鮮味があります。

さて前述した通り、今作は『暗黒竜』編ストーリー(以下:第一部)と『紋章の謎』編ストーリー(以下:第二部)の二本立てです。
第一部は大筋『暗黒竜』の時と同じですが、二本立て故に容量の都合上か、一部のマップ・仲間が削除・変更されています。
特に削除された仲間の一人である「リフ」は『暗黒竜』では第一章の西にある村で仲間になるのですが、今作でその村に行くとリフが仲間にならない代わりに「きずぐすり」というアイテムが貰えます
その為プレイヤーの間では「リフは傷薬になった」とネタにされ、以後「きずぐすり」は今作のネタに肖って「リフ」や、文字って「きずぐすリフ」などと呼ばれることもしばしば。
他にも第一部では敵の弱体化・味方の強化などが施されており、『暗黒竜』よりも難易度も下がって新参者でもクリアし易くなっております。

反面第二部は『暗黒竜』経験者のことも考えてか難易度は高め。敵軍から逃げるようにして城を制圧するマップがあったり、かなり急がないと仲間になるユニットを救えないマップなどが用意されています。
仲間になるユニットも第一部から引き続き参戦する者もいれば、新たに登場する者まで様々。
特に一度行動したユニットを再度行動させることができるユニット「」
ちなみに第二部ではこれまた容量上の都合か斧が使えるユニットが一人も仲間になりません。
三すくみがまだ出来上がってない今作では斧が無いことによりデメリットこそありませんが、斧好きなプレイヤーには残念な仕様。
しかし何故か第二部では「ぎんのおの」という銀シリーズの斧を手に入れることができるマップがあります。誰も使えないというのに。
しかしこの「ぎんのおの」、他の銀シリーズの武器とはいくら何でも違いすぎる部分があるのです。
その部分とは…

・ぎんのつるぎ 価格:2000G
・ぎんのやり  価格:1600G
・ぎんのゆみ  価格:2200G
・ぎんのおの  価格:10000G

お分かりいただけただろうか?


また第二部では明るく締めくくった第一部とは違い、とある国王の悲劇がストーリーの中心となります。
しかもそのとある国王とは第一部では主人公のマルスと共に戦った戦友。プレイヤーの心が締め付けられます…
内容には触れませんので知りたい方はご自分の目で調べるなりしてください。


総評。
『暗黒竜』時代の詰めの悪さ、ハード故の制限を見事克服し、正当進化を遂げた作品であります。
制作側の見込みは見事ビンコ。新参者を多く引き入れ、知名度をグッと上げました。
恐らくこの作品が出ずに知名度が上がらなければ、後続の作品も出ることなくシリーズも他のメジャー作品の前に埋もれていくだけになっていたでしょう。
『ファイアーエムブレム』という名を世間に広げた、まごうこと無き名作であります。
現在はWiiバーチャルコンソールでも配信中。シリーズを始めたいなら迷わずこれです!
[ 2012/05/01 18:08 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(1)

レビューNo.18 ファイアーエムブレム 外伝

「ああ もうだいじょうぶさ
  こんなやつら ぼくが
  ひねりつぶしてやる


ファイアーエムブレム 外伝

FE外伝


ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
定価:6800円


RPGシュミレーションの革命児、ファイアーエムブレムシリーズの第二作目にして
後世に引き継がれる数々の新要素を数多く盛り込んだ意欲作。
今回はこの作品をレビューしていきたいと思います。

物語の舞台は、邪神ドーマと大地母神ミラの祝福を受け人々が繁栄するバレンシア大陸
北に位置するリゲル王国、南に位置するソフィア王国の二大王国によって平和が保たれてきたが、
突如として起こった作物の不作によりリゲル王国はソフィア王国に援助を求めるも、ソフィア王国はこれを無視。
怒ったリゲル王国はソフィア王国を侵略。ソフィア王国内の内部分裂もあってソフィア王国は滅亡寸前。
そんな戦乱の中、とある村で暮らす一人の少年アルムと、ソフィアの血を引く王女セリカの旅が始まるのだった…

まずゲームを初めていきなり過去作と違う印象…というかシリーズ通しても見られないようなシステムが待ち構えています。
ゲームの進み方は前作のように「マップをクリアしたら次のマップに行く」のではなく、あらかじめワールドマップなるものが用意されており、そこに散りばめられたエリアを任意で移動し、敵と遭遇した場合は前作同様バトル用のマップに移行し、敵部隊と戦闘します。
中には敵が無限に湧くエリアも用意されてるため、そこに留まれば延々とレベルアップをすることも可能です。
また一部のエリアでは町や建物などの施設には普通のRPGのようにキャラクターを動かしてエリアを捜索する場所もアリ。
物語の始まる「ラムの村」もこのようなRPG風のマップから始まります。そりゃ驚くってモンです。

RPGマップ   全体マップ



肝心のバトルの方もシリーズ類を見ない変更がなされています。
まず今までにあった「回数制限の武器」というものは存在せず、各ユニットは何も持ってない状態でもクラス固有の武器(「ようへい」なら「けん」、「ナイト」なら「やり」など)を最初から所持しています。
魔道士の場合はキャラクターごとに使える魔法が設定されており、レベルアップによってより強力な魔法を習得することができます。
当然魔法も回数制限はありませんが、一定のHPを消費しなければ使えないというシビアな仕様になっています。
「はがねのつるぎ」や「ナイトキラー」など従来の武器にあたるものは装備すると単に攻撃力を上昇させたり、特定の敵に大きなダメージを与えられるようになったりということになります。
ちなみに装備できる武器は一人一個だけ。中には「かわのたて」など防御力を上げる効果を持つものもあるので中々悩まされます。
これらのアイテムは前作のように宝箱を開けて手に入れるものもあれば、敵が低確率でドロップするものもあります。
ドロップするものの中にはあらゆる攻撃を必中にする槍「げっこう」や攻撃力20という破格の性能を持つ槍「たいよう」など高性能の武器もアリ。
しかしいざ手に入れようとするとドロップ率1%以下というネトゲとタイマン張れる確率のものばかり。でもそれこそがこの作品の魅力としてやりこむ人も。

このように、
・完全に装備品と化した武器
・装備がなくても戦闘は可能
・レベルアップで魔法を習得

など、ドラクエのような普通のRPGに近づいているようなシステムが本作の目玉になっております。

クラスも全体的に打って変わっており、CCの方法も前作と違います。
前作ではレベルが一定まで上がった状態でCC用のアイテムを使うことで初めてCCできますが、
今回はアルム・セリカを除いて「ミラのしもべ」というエリアに行くことで一定のレベル以上で可能になります。
名前からも分かるように、ユニットの中では最下級で強さも微妙。
しかしレベル3という早い状態からCCが可能で、CC先も「ようへい」「ナイト」「ソルジャー」「アーチャー」「まどうし」と豊富。
ここで「ようへい」を選択し、順番にCCしていくと「ようへい」→「けんし」→「ませんし」へと変わっていきます。
一見「ませんし」で打ち止めのような気もしますが、「ませんし」からもCCが可能でその先はなんと「むらびと」!
当然「ませんし」から「むらびと」にCCした後も「ようへい」→「けんし」→「ませんし」へとドヤ顔でCC可能。
要するに、この「むらびと」というクラスは全クラスの中で、唯一無限CCループが可能なクラスなのです。

その他にもこの作品限定の「アーチャー」の仕様も本作の特徴。
前作(というか暁以外)ではアーチャーは2マス以上の敵しか攻撃できず、四方を敵に囲まれれば何もできずに殺されるのがオチでした。(通称:助けてエイリーク!)
しかし今作のアーチャーは「反撃時のみ1マスの敵にも攻撃可能」という強力な使用を手に入れた上、武器装備時は2~5マスに攻撃が可能になり、更に最上級クラスである「ボウナイト」は素の状態でも2~5マスの攻撃が可能。優遇ってレベルじゃねーぞ!

しかし光があれば影が必ずあるように、優遇されたものもあれば必然的に不遇扱いされたものもいるのです。
その名も「シスター」、つまり回復係ユニットです。
前作でも「そうりょ」は敵の攻撃を避けることで初めて経験値を貰うことができましたが、今作の「シスター」はそれが廃止され、代わりに自身も魔法を使って敵を倒して経験値を稼がねばならなくなりました。杖を振っても経験値が得られないのは前作と同じ。
しかし「シスター」が初めから使える魔法、「リザイア」というのも、命中率が低い上に与えるダメージも微妙というあんまりな仕様です。
更に追い討ちをかけるように、杖の使用も魔法と同様、HPを消費しなければ使えません。味方の傷を癒す傍ら、自分が傷つくことになるのです。流石シスター、如何なる時も献身的であります。
一応前述のリザイアは消費HPゼロで敵のHPを吸い取る効果を持ってますが、威力がアレなので吸い取れるHPなんてたかが知れてるし、当たらなければ意味がありません。これでもかって言うぐらいの不遇っぷりです。
救済策として(?)今作ではマップクリア時にメンバー全員に一定の経験値が入るようになっています。とにかくこのシステムを生かすか、無理してでもザコい敵をチビチビ倒していくしかありません。

戦闘面のシステムについて一通り解説したので、お次はストーリー面の解説。
前述した通り、今作の主人公はアルムとセリカの二人。
アルムはリゲルの侵略に対抗する解放軍のリーダーとしてソフィアの軍隊と戦う一方、セリカは事の発端となった作物の不作を調べるため、魔物が蹂躙する大地を進んでいくことに。
基本的に二人が直接交わる機会は少ないですが、「お互いの目的を果たすべく別々の道を辿る」というシチュエーションは悪くないし、別々の道を辿ってるからこそラストの合流・共闘シーンは光ります。

最後に自分が感じた不満点ですが…

マップの仕様上、無限に経験値稼ぎできる分、全体的な難易度は高めです。
「いざとなら稼ぎができるからいいや~」と思って進めてたら、アーマーナイトやらナイトやらの猛攻を凌ぐのに一苦労。
アルムの必殺連打のおかげで何とかその場は凌げましたが、稼ぎの重要さを思い知らされました…
…つっても、敵軍とのバトルの際にいちいち稼ぎをしてレベルを上げてから挑むんじゃあテンポがだだっ下がりです。

更に何の恨みか分かりませんが、前作同様魔法防御の成長率は一律ゼロ
今回ばかりCC補正で魔法防御は幾分上がることもありますが、クラスによっては魔法防御の補正が全く無いユニットもいるのでやはり調整不足と言わざるを得ない。
前作でも魔法を使う敵、「しさい」は全体的にステータスが高く強敵でしたが、今作では「まじょ」というチート能力を身に着けた敵専用ユニットが登場。
その能力とは、一定確率でマップ内の任意の位置にワープし、その地点から魔法攻撃するという鬼畜っぷり。
しかもこちらには前述した「CCしても魔法防御が上がらないカス」が一人ぐらいはいるので、もう戦闘態勢どころの問題じゃない。
例としてセリカ側にはバルボという上記の性質を持ったアーマーナイトが仲間になります。
アーマーナイトの性質上、守備は高いので物理攻撃相手には前線に出して攻撃を受け止めてもらう役になるというのに、
魔女が相手となればこれまたアーマーナイトの性質上、素早さも魔法防御も空っきしなので他ユニットの影にコソコソ隠れなければいけません。物理相手の勇ましさは何処に消えたのやら…
攻略本ではこのバルボの魔女に対する防衛策が書かれているのですが、あまりの正攻法っぷりが逆にシュールで、今なお語り草となっております。

そんな防衛策とは? こんな感じ↓


    味       魔女
  味味味
味味バ味味
  味味味
    味 バルボを守れー

鉄壁のガードだぜ!


総評。

シリーズも始まったばかりのためか、チャレンジ精神の溢れた作品に仕上がっております。
実験的な試み故に少々調整不足の面もありますが、後世の作品のシステムの元になったものもあれば、そのままの形で受け継がれたものもあることから、この作品の価値が良く分かります。
Wiiバーチャルコンソールで配信されてることもあって、根強いファンが多いのも確かです。
それだけにリメイクが熱烈に要望されている作品でもあるのですが、今のところ予定はないようです。
リメイクを望んでいる方は、その日が来るまで「たいよう」でも集めながら気長に待ってましょう(´・ω・`)
[ 2012/04/30 18:03 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(2)

レビューNo.17 キングダムハーツ3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]

「俺自身にキーブレード使いの力が無くてもかまわない

俺を通じてみんなの心が力になればいい

それがキーブレードの力―――

繋がる心が俺の力だ!」



キングダムハーツ3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]

KH3D.jpg

ジャンル:アクションRPG
開発元:スクウェア・エニックス
発売元:スクウェア・エニックス
価格:6090円


キングダムハーツ最新作が満を持して3DSに登場。
発売前の雑誌情報やPVなどで、さぞや多くの方がこの作品をプレイする日を待ち詫びたことでしょう。
筆者も大学を無事合格できたことで、心置きなく発売を待っていたものです。

そしてさる3月29日。遂に待望の『KH3D』が発売されたわけです。
期待を胸にして筆者も早速購入。そしてクリアに至りました。
最新ハードでの最新作。その名に恥じない出来栄えだったのか、今からご覧に入れましょう。



あらすじ
イェン・シッドと王様に呼ばれたソラとリクは、キーブレードの使い手としてマスター承認試験を受けることになる。
しかし、その舞台は“眠りに閉ざされた世界”という、謎に満ちた場所だった。
夢を介して繋がるという“眠りに閉ざされた世界”は、「眠りの鍵穴」を開くことで世界を眠りから覚ますことが出来る。
「眠りの鍵穴を開放し、再びこの地に戻ってくる事でマスター承認とする」というイェン・シッドの言葉を受け、
ソラとリクは「眠りの世界」に旅立つ。

(以上wikipediaより引用)

今作のコンセプトは「大胆なアクション」
その名に恥じず、大迫力かつスピーディーなアクションバトルが楽しめる内容になっています。
このバトルシステムの中枢を成すのは「フリーフローアクション」というもの。
これは壁やポールなどにスライドパッド+Yボタンを押して接触すると発動し、
その後押したボタンによって様々なアクションに派生します。

・Aボタン(たたかう)を押した場合
近くの敵にドリルの如く突進攻撃した後、敵に上空からダイブ。

・Bボタン(ジャンプ)を押した場合
そのまま大ジャンプし、その状態からAボタンを押すことで地上へヒップドロップ。
またはYボタンを押すことで下記のスピード移動に派生できます。

・Yボタン(スライド)を押した場合
超スピードで突撃し、上記のAorBボタンのアクションに派生できます。

ポールにフリーフローアクションが発動するとポールの周囲を回転し攻撃することができ、
そのまま上記のAorBorYボタンのアクションに派生ができます。
手すりにジャンプすると手すりの上を超スピードで滑ることが可能。無論上記のアクションも有効です。
更には一部の敵にも発動でき、その敵の周囲を回転した後、敵をぶっ飛ばすことが出来ます。

このアクションに関しては正に「爽快!」の一言に尽きます。
このシステムのお陰で、敵に囲まれている状況でも壁に接触、大ジャンプ後のヒップドロップで周囲にダメージ。
敵が少ない場合は突進してゴリ押し。敵の攻撃をかわしつつも、大胆にこちらの攻撃を加えることが出来ます。
壁ならそこらじゅうにあるので基本的にこのアクションはいつでも発動可能。
ザコ敵には圧倒的優位に立てますが、反面ボスには壁に接触する際に隙が生まれる為、少々危険が伴います。
とはいえ、何れにせよ強力なダメージソースになってくれることは確かです。

移動の手段にも有効で、地上空中問わずビュンビュン移動でき、
マンガで見られるような「左右の壁を交互にジャンプしながら移動」なんてのも可能です。

更に賢い方は既にお気づきでしょうが、BボタンとYボタンのアクションはお互い永久ループが可能なのです。
これを使えば、壁に接触→Bボタンでジャンプ→壁に向かってYボタン→再び壁に当たる為Bボタンでジャンプ...
というような、所謂無限ジャンプが可能になるわけです。
これを覚えておけば足場の高い場所から落っこちても即復帰可能。
更に仕掛けを使わなければ行けないような場所にフライングで行くことも可能になります。TASさん大喜び。
このテクニックを使って存在しなかった世界のビル郡の頂上を移動するのは楽しいですよ~

ただ上記のように移動を繰り返すとハチャメチャすぎて自分が何処にいるか分からなくなるときがあります。
ちゃんとマップを確認しつつ、やり過ぎない程度に上手く使いこなしましょう。

続いて紹介するのは「リアリティシフト」
敵を立て続けに攻撃すると特殊なシンボルが発生するのが合図。その状態でX+Aを同時押しすることで発動します。
効果はワールドごとに異なり、敵をパチンコの玉のように発射して周囲を巻き込んだり、
敵と敵を光のロープで繋いで移動すると共にダメージを与えたりなどユニーク度は満載。
そもそも演出のユニークさはディズニーの得意分野。どれもこれも抜かりはありません。
このアクションは一部のオブジェクトにも発動可能で、敵にダメージを与えたりするのはもちろんのこと、
移動手段として使ったり、ステージのギミックに使うなど活躍に不足する場面はありません。

そして忘れてはいけないのがある意味目玉システムである「ドリームイーターの育成」
ドリームイーターにはソラの敵である「ナイトメア」と味方になってくれる「スピリット」が存在し、
このスピリットを自分で生み出し、育成することが出来ます。

パーティに入れられるスピリットは3匹で、その内戦力として使えるのは2匹。
残る1匹は後述のアビリティのみ発揮していることになります。
このスピリット達はソラの仲間として共に戦ってくれる他、「リンクポイント」というポイントを消費して
予めスピリットごとに用意されてるアビリティやバトルコマンドを開放することができます。
このリンクポイントは敵と戦ったり、専用の餌を上げたり、トレーニングをしたり、
更にはタッチして突っついたり撫でたりしても上げることが可能です。
開放したアビリティはソラとリクのものになりますが、スピリットをパーティから外してしまうと
そのスピリットの持つアビリティも一緒に無くなってしまいます。
戦力を整える際にアビリティのことも考えなければいけないなど、かなり考えることになります。
(ラストリーヴなどの重要アビリティは一度開放してしまえば無くなりません)

スピリット達は「リンクシステム」によってソラやリクと連携することができます。
ソラの場合はスピリットと共に合体技を発動し、リクの場合はスピリットの力を見に纏いスタイルチェンジします。
更に2匹同時にリンクする「デュアルリンク」というものまで存在し、
より強力な合体技、より強力なスタイルを発動することができます。

基本的ないつもの戦闘にここまでの新しいシステムが組み込まれてるわけです。
どれもこれも腐らせることなく存分に発動して遊びたいですね!

今作では各ワールドに移動する為のグミシップミッションに代わり、「ダイブモード」というシステムも加わりました。
『KH』の頃のグミシップのように奥スクロールで進み、ポイントを稼いだり敵ボスを倒したりなどのミッションをこなし、
次のワールドに進むことができます。ワールドごとの演出もあったりして見てても非常に楽しい。

ゲームを存分に楽しませるシステムがてんこ盛りですが、反面そうとは言い難いシステムも。
それはソラとリクの操作を交互に切り替えさせる「ドロップシステム」
今作では『BbS』と違ってソラもリクも1つのセーブデータで操作することになります。
その為一定の時間が経つと強制的にプレイヤーの操作しているキャラが「眠り」に就き、別のキャラサイドに変わります。
物語上重要なシステムなのですが、これが色々と煩わしいというか迷惑というか。
例えばソラサイドでボスと交戦中、リクサイドに変わりその後ソラサイドに戻ると、そのボス戦は最初からになります。
いくらボスを追い詰めようと、時間が来てしまえばそこまで。キャラと一緒にプレイヤーも落胆して眠りに就くかも。
強制的に操作キャラを眠りに就かせて別のキャラを動かすことも出来ますが、これがまた煩わしいところ。
操作中のキャラが眠りに就くと、それまで操作してきたキャラの活躍に応じてポイントが加算され、
そのポイントに応じて「能力アップ」や「アイテム入手」などの要素を交代後のキャラに引き継ぐことが出来ます。
何もせずに強制ドロップすれば当然ポイントはゼロ。引き継ぐ要素なんてあったもんじゃありません。
これって何か損してる気がしません?
案の定amazonなどのレビューでドロップシステムは「ジャマ」「これさえ無ければ」「いらない」...
等々の酷評が目立つ結果となってしまいました。

前述のドリームイーター育成システムも賛否が分かれるところ。
育成すること自体は楽しいですが、やはり気になってしまうのが付属するアビリティ。
強いスピリットと必要なアビリティは必ずしも両立しないため、ぶっちゃけ面倒臭いです。
正直『358』のパネルシステムと同じく、「過去作でできたことを面倒臭くしただけ」な感じが否めません。

なお今回も『BbS』のバトルコマンドシステムを採用していますが、ゲーム画面を見れば分かりますが
今まで前後のコマンドが確認できたのに、今回は後のコマンドしか確認できません
これだけでも何処にどんなコマンドがあるのか分かり辛いのに、更に辛い事実が。
3DSの仕様上モンハン持ちが出来ない為、コマンド送りをする時は同時にキャラクターを操作するのが非常に難しいです。
ボス戦とかで「やべえ! ケアルどこだケアル!?」とコマンド送りする度にゲームオーバーの危険性が伴います。
拡張スライドパッドがあれば違ったのかもしれませんが、生憎買う気も金もありません。

後は…クオリティのわりに全体的にボリュームに欠けているような気がします。
「これが?」と思うようなラスボス、淡々と進む後半、クリア後の要素の少なさなど。
『Re:coded』でもクリア後の要素はそれなりにあったのに… と、かなり惜しいことになっています。

さてさて皆さんがイチバン気になっていると思われる「ストーリーの内容」ですが、
ゼアノートの真の目的を中心として、かなり多くの新事実が発覚します。
ネタバレになるので内容には触れませんが、とにかくファンの方は必見。見過ごしてはいけません。
シークレットムービーも次回作に期待がかかるような内容になっております。見ない理由はありませんよ?


総評。
個人的にはボリューム不足感が否めませんが、据え置き機にも負けないぐらいのクオリティです。
新要素にしても、ストーリーにしても、買わない理由はありません。
まだ買ってない方は是非是非ご購入を!
[ 2012/03/31 18:56 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(0)