レビューNo.7 キングダムハーツ 358/2days

「ロクサス、悲しまないで

あたしは君とソラから生まれた

あたしは君であり、ソラなの

あたしの記憶は消えるんじゃなくて

君の記憶と一緒になって

ソラに帰るんだよ」



キングダムハーツ 358/2days

358/2

ジャンル:アクションRPG
発売元:スクウェア・エニックス
開発元:ハ・ン・ド
価格:5980円

主人公であるソラとその仲間達が活躍し、世界を救う勇者の物語である『KH』シリーズ。
その一方で、敵の機関に属しながらも自らの意思で機関を抜け出した影の人物が一人。
後々それが大きな存在となり、ソラと並ぶ主人公になったのですから、裏方って恐ろしい。
いわゆる外伝作品にあたる本作、『キングダムハーツ 358/2days』(以下358)ではそんな影の人物、ロクサスが主人公のゲームです。
時系列では『COM』と『KHⅡ』の間の、ロクサスがXIII機関に身を置いていた頃の話。
ロクサスが生まれて358日+αの軌跡を描いたもので、『Ⅱ』の7日間でちょうど一年経ったことになります。
というワケなので『KHⅡ』でいきなり出現したロクサスの伏線を回収する意味合いもあります。
オープニングはロクサスが生まれてから7日目に、機関にXⅣ番目の少女、シオンが入ってくる…というものなのですが。

物語の表舞台で活躍するソラとは対照的に、ロクサスが活躍するのは暗く地味な裏舞台。
元々XIII機関というのが影でコソコソ活躍するので仕方ないんですけどね。
そんなことなので外部とのコミュニケーションをは厳禁。当然街の人に話しかけるとかもっての他。
コミュニケーションをとっていいのは大半が何かと怪しい人物の機関だけ。
他の人と違って純粋なロクサスは数少ない機関の理解者であるアクセルやシオンと行動を共にしていきます。
するとますますコミュニケーションの幅が狭くなってくる。まあ、機関が機関なんですけどね。

物語の表舞台で活躍するソラとは対照的に、ロクサスが活躍するのは暗く地味な裏舞台。
ソラとその仲間達はグミシップで色々なワールドを自由に行き来できるのに対し、
ロクサスは「闇の回廊」という機関があらかじめ準備している場所にしか行けない。
一応ロクサスは任務終了時にトワイライトタウンの時計塔でアイスを食べる習慣がありますが、
プレイヤーにとっては行く世界は強要されているも同然。まあ、機関が機関なんですけどね。

物語の表舞台で活躍するソラとは対照的に、ロクサスが活躍するのは暗く地味な裏舞台。
ソラとその仲間達は行った先々で独自で調査し、ワールド特有の悪者を懲らしめるのに対し、
ロクサスはサイクスという中間管理職に話しかけて任務を受け、前述の「闇の回廊」からワールドへ移動。
任務が終われば基本それ以上の自由は許されず(というよりやることが無い)、プレイヤーは半強制的に再び「闇の回廊」をくぐることに。
一緒に来る仲間もあらかじめ決められた者のみ。しかも基本一人。
たまにアクセルが無茶を言って一緒に来ることもありますが。やはり親友は選ぶべきですね。
まあペアを組んで戦うのは大切なことですが。機関が機関なせいです。

物語の表舞台で活躍するソラとは対照的に、ロクサスが活躍するのは暗く地味な裏舞台。
…ってこんな文章いつまで続くんですかね? もうこのくらいで自重します。
ここまで長ったらしい文章を垂れ流して筆者は一体何が言いたいのかと言うと…

これってアクションRPGかなあ?

もちろん敵と戦って経験値を稼ぎレベルを上げるのはRPGの大切な要素です。
しかし色々な世界を旅したり、冒険要素も無くただのお使いをこなすだけだったり、
コミュニケーションの幅が狭いのはRPGの趣旨としてどうなんでしょう?
『KH』=『アクションRPG』という方程式が決まってる故のことでしょうけど、ジャンルはちゃんと考えるべきです。
ちなみにニンテンドー初のRPGゲームは1985年発売の『頭脳戦艦ガル』というゲームですが、
調べてみれば分かりますがRPGではありません。
ニンテンドーのRPGは初めから基板が壊れていたのか!…と考えるのはいくらなんでも早計ですね。

まあ個人的に言わせてもらえばアクションRPGとしてのバトル性も他作品と違って非常に退屈。
例として『KH』で筆者を苦しめ、一時的な挫折まで追い込んだ強敵、「リク×アンセム」についてお話しましょう。

序盤でリク×アンセムのHPがまだ多い場合はフェイントをかけながらこちらに攻撃してきます。
この状態なら隙を見つけてチビチビ攻撃すれば順調にHPを減らせます。

しかしHPが少し減った場合には時より強化形態に変化。パワーもスピードも高くなっています。
しかしこの強化形態は時間が経つと通常形態に戻るため、それを狙えば攻撃は楽です。
また、強化形態に移る前には大きな隙があるため、その間にコンボを決めることも可能です。

しかし問題はHPが残り少なくなってきてから。
この時、リク×アンセムは突進攻撃と衝撃波のコンボ、「ダークラッシュ」を発動してきます。
さらに常時強化形態となり、通常形態に戻ることはなくなります。
これではもう、強化形態の僅かな隙を狙って攻撃するしかありません。

これを潜り抜ければ見事勝利。当時は本当に苦戦したものでした。
要するにアクションRPGにはプレイヤーに楽に攻略されないよう、敵の戦い方を随時変えなければならないのです。
かのもっさりアクションで有名な『ドラッグオンドラグーン』でさえもそうでした。

しかし本作『358』はどうでしょう?
来る敵来る敵も終始同じパターンの行動の連続。
いくら敵の攻撃が激しくてもずっと同じなのですぐに馴れます。というかそこまで激しい攻撃をしてくる敵はいません。
前作まであった「敵の変化する攻撃に臨機応変に対応する」ような戦いの要素が薄くなっています。
敵の攻撃は適当に防御してこっちが攻撃してまた防御…の作業の繰り返し。それなのに敵のHPは全体的に高め。
しかもボス敵にはそれが顕著に現れ、HPゲージが『KHⅡ』のセフィロスと肩を並べるほど何重にもなっています。
特に『ロールスラッシャー』という敵は酷く、序盤でまだダメージもままならない状況でHPが何重にもなり、しかもこちらのHPを吸い取るという攻撃をしてきます。
幸い攻撃パターンは非常に単調なので避けるのは簡単ですが、ますます作業度に拍車がかかる。
しかもお供の機関員が勝手に突っ込んでロールスラッシャーにHPを吸い取られに行く始末。もうあんたは帰って寝てろ。

新たに登場した『パネルシステム』もイマイチな仕様。
これは前作までのアイテムの装備やアビリティの管理といったメニュー機能をパネル式にしたものなのですが、
『ロックマンエグゼ』のようなカスタマイズ性を求めていたようですが、むしろ前作でボタン一つでできていたものを無理矢理面倒臭くしただけなような気がしてなりません。

ストーリーだけは褒めたいところなのですが…
大まかに言えばロクサスの機関員との接触、共闘、友情を経てロクサス自身の成長と機関への疑惑を重ねていくというもの。
しかし序盤は感情の乏しいロクサスがアクセル達と触れ合って徐々に感情を露にしていく物語が、
終盤は機関に疑惑を抱くロクサスの葛藤、アクセルとの別れ、シオンとの悲しきバトルが続く激動のお話。
特にシオンとの戦いは、戦闘時のBGM・直後のイベント内容の切な悲しさから実に反響を呼びました。

しかし物語の中盤はどうにも話が何ら変化する様子が無いため、実に単調
ただお使いミッションをこなしてアイスを食べてる景色しか見ません。本当に。
大筋の物語は個人的には確かに気に入っています。しかしもっと構成を練ってほしかった…

BGMも過去曲の使い回しが多いですが、新曲の方は高評価を得ているようです。
前述したシオン戦のBGM、『The number That never was』もいい曲なので是非聴いてみて下さい。

やることがお使いだらけ、新システムは不評、ストーリーも中身がよくても見せ方が悪い。
売れはしましたが、やはり評価はお世辞にも高くないようです。
致命的なダメ要素が無いわけではないので遊べないゲームではないですが、シリーズを通してるとやっぱり退屈かも。
しかし中古はいざ知らず、大手の店では新品でも4000~5000円と比較的高値で売られています。
プレイを考えている方は中古や通販を使って安値で手に入れることをオススメします。


物語の表舞台で活躍するソラとは対照的に、ロクサスが活躍するのは暗く地味な裏舞台。
ロクサスの影の活躍を無駄にしないためにも、ソラには今後も頑張ってほしいところです。
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[ 2011/01/28 18:50 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(3)