レビューNo.2 ドラッグオンドラグーン2 封印の紅 背徳の黒

もう良いのか、カイム。

ああ、行こう。共に…

DOD2

ドラッグオンドラグーン2 封印の紅 背徳の黒
ジャンル:アクションRPG
発売元:スクウェア・エニックス
開発元:キャビア
定価:7140円

前回でレビューをした作品であるドラッグオンドラグーン(以下DOD)。
有り触れた外見からは想像も辞さない中身を見せてくれた歴史的な怪作でもあります。
発売から2年後、その歴史的なゲームであるDODの続編が発表されたのを皆さんはご存知でしょうか。
前作の狂いっぷりからDODを離れるプレイヤーもいる中、逆に数々の熱心なファンも見られました。
そんなDODの続編であるから、きっと今度も何かをやらかすに違いない。
ファン達がそう確信した中、期待の新作、DOD2が発売されました。

結論から言えば、前作のような鬱展開を望んでいた人達にとっては肩透かしな内容に仕上がっています。
舞台は前作の一番最初に見るエンディングに他のエンディングの要素を加えた世界の18年後なのですが、
崩壊しきっていた世界観はほぼ一新されてしまい、前作をプレイした人にとってはちょっと頭を捻ってしまうもの。

ざっとストーリーを説明すると、前大戦は主悪の根源である人物、マナをカイム(前作の主人公)達が倒したことで終了し、終局へ向かう世界をアンヘル(カイムの相棒の竜。前作のレッドドラゴンのこと)が犠牲になることでどうにか食い止めることが出来た。
それから前作であった帝国などの土地はほぼ全部無くなり、アンヘルの犠牲によって作られた封印を守るため、人間達は新たに「直轄区」という場所を作り、前大戦での帝国の住民達をそこに幽閉し、彼らを「殉教者」ということで封印を守ってきた。
さらに直轄区を守るため、人間達は「封印騎士団」という組織を結成し守備を固め、さらに直轄区には騎士団に属する有力な者達を「守護者」という名目で各地に配置した…

…最後の方で前作の世界観の欠片も無いことが分かったでしょうか。

後々話すと長くなるので他の話題に持って行きましょう。

今作の主人公は前述した封印騎士団に属する少年、ノウェ。
相棒の黒竜のレグナに育てられたため竜語を理解し、騎士団の神官長の予言で「救世主」ということで騎士団に入ることに。
七光りで入ったようなものなので、周囲からの風当たりは良くなく、本人も救世主呼ばわりは嫌なようです。
次いで登場するヒロインは前作での主悪の根源であったマナ。
何故前作で散々悪事を働いたマナがヒロインなのかの説明は省略しますが、魔道士として旅をしています。
…と、ここまで書けば出世がアレな普通の主人公とヒロインっぽく聞こえますが…

実はこの主人公とヒロイン、とんでもなく駄目人間なんです。
ノウェはクソと言い切ってもいいぐらいのDQN人間です。初回プレイでは呆れ果てました。
とにかく意思貧弱で何をしようにも小さいことにばっか目が行って一番大事なことを忘れすぎてます。
マナの方はやる事成す事あまりにも無責任すぎて見ててムカついてきます。
彼女は意地でも自分の非を認めず、それ故間違った方向に猪突猛進していきます。
前作のカイムのような強烈なクセも見られないため、キャラとしての素質は雲泥の差があります。
ていうかそもそも、世界を救う主人公・ヒロインの役をしている辺り、完全に場違いです。

二人のクソさが分かるのはゲーム序盤のこと。
直轄区の守備を命じられたノウェはそこで出くわした旅の魔道士のマナに一目惚れし、
その後一緒に封印を守る為の直轄区を破壊する旅を始めます。
当然そんなことしてしまえば世界はヤバい状況に陥ってしまうのは火の目を見るよりも明らかでしょう。
対するマナの言い分はというと、「直轄区にいる生贄の人が可哀想だから。それ以外は知ったこっちゃない。」
確かに直轄区にいる生贄の人々は哀れですが、それだけの理由で賛同してしまうノウェとマナは明らかに大局が見えてません。
ノウェについて説明書には「自分なりの正義感を持ち合わせている」みたいなことを書いてはおりますが、
それはアンタが周りの意見に流されてコロコロ考え方を変えてるだけだッ!
この記事を読んでるか、ゲームをプレイしている時点で「こんなヤツらを操作していいのだろうか…」と思ったあなたは正しい。
でも折角なのでもうちょっと奥まで進んでみましょう。

その後案の定直轄区は壊され、封印から解放されたアンヘルは自分を苦しめてきた人間達に復讐しようとします。
言わずもがな、世界はまた破滅の危機へと歩んでしまったわけです。
その時の駄目主人公&駄目ヒロインの反応↓

マナ「そんな…どうしてこんなことに…(泣」
ノウェ「大丈夫だ、俺が世界を救ってやるぜ!(キリッ」


どうやらこのお二方、こうなった理由が全く分かってないようです。
現在の状況は明らかマナとノウェが周りのことしか見えなかった故の結果で、
どう考えたって二人が悪いはずなのにノウェは唐突のヒーロー宣言。偽善者以外のなんでもありません。
そして終いにはスクエニお約束の中途半端な恋愛シーンが出てきてしまいます。
もうここまで来ると本人達の勢いでやっているとしか思えず、プレイヤーは置いてけぼりにされます。
BGMの選曲もイマイチ感動しないし。\パンパカパーン/みたいな感じで。

極めつけにはノウェ&マナの声優さんの演技のヘタクソさ
ノウェ役の方は俳優もやってらっしゃる勝地 涼さん。
演技はが付くほどの棒読み
例を挙げると、仲間であり幼馴染であった同じ騎士団の同僚、エリスが絶命(実は生きてる)シーンにて、
字幕の表記で「エリス? エリス! エリース!!」と実に緊迫したシーンなのですが、
実際の演技を字で表すと「えりすぅ、えりすぅ、えりすぅぅ」と実に間の抜けた声で緊迫感をぶち壊してくれます。
マナ役の方は小雪さん。
やはり棒読みが酷く、「ノウェ」と声をかける時は必ず「ノウエ」と聞こえてしまいます。
このお二方より、モブ村人やモブ兵士の声をやってる方達の方が断然演技が上手いです。

ご覧の通り、ストーリーはお世辞にもいいとは言えません。
期待した鬱シーンも無いし、中身はこのスカスカっぷりですから。

次いで悪い印象を持つのがゲームバランス。
今回も前作と同じような無双ゲーの体裁は出来上がっているのですが、決定的な問題点を抱えています。
それは新たに導入された「ガード・弾き」システム。
敵の攻撃をガードして防いだ時、タイミング良くボタンを押せばその攻撃を弾き返し、敵に大きな隙を与えることが出来るシステムです。
…が、敵も同様にガードを使用し、しかも頻度がメチャクチャ高いためいくらボタンを連打してもダメージを与えられる気配はありません。
ダメージを与えるには魔法か、敵がガードをやめるのを待つか、こちらがガードの届かない背面を斬るしかありません。
こちらの「弾き」にも難があり、敵の攻撃を弾いて「いざ攻撃!」と意気込んだ所で再びガード体勢に戻ることがしばしばあります。
こうなるとダメージを与えられないのはもちろん、強い敵になったらカウンター攻撃もしてくるので非常に危険です。
オマケに敵の攻撃力・手数が妙に高く、コンボを受ければ自分の体力の60~80%は失ってしまいます。
それが敵に囲まれた状態であれば…お察し下さい。
回復オブジェクトもありますが、全回復でも無い限りその量は微妙で、敵の攻撃を数発受ければ元に戻ります。
以上のことから無双ゲーにしては非常にストレスが溜まるものとなっています。

ですが反面、ゲームとして進歩している面も見られます。
攻撃パターンも少なく、フィニッシュ技に乏しかった前作と比べ、
今作は通常攻撃に加え△ボタンで敵を宙に浮かす「斬り上げ」、敵を攻撃しつつ後方に回避する「バックステップ」。
フニイッシュ技に関しては□と△を一定数順序に入力して発動する形になり、種類も増え、敵をなぎ倒す爽快感も非常に増えました。
上空戦ばかりのボス戦も改善され、数も非常非常に多くなり、当然地上戦にも追加されました。
前述したイライラするシステムも、ゲームとしての戦略性を出すためと思えば、そう一概に批判できません。
ゴリ押しだけで進めた前作とは違って、曲がりなりにもアクションゲームとしての質は上がっていると言えるでしょう。

そして何よりも最大の評価点は前作の主人公カイムとアンヘルの再会シーン。
戦いに共に傷つき血を流し、封印に縛られたアンヘルをたとえ世界を敵に回しても救おうとしたカイムは間違いなく主人公の鑑です。
テーマ曲である中島美嘉さんの歌う「ひとり」もマッチして、これはもうPS2屈指の感動シーンと言っても決して過言ではありません。いやマジで。

以上のことから掘り出せば問題点がいろいろ出てくる作品ですが、個人的にはDODの続編だけあって憎みきれないものがあります。
現在は廉価版が発売されていますので、興味があればどうぞ。
…まあ、無理にとは言いませんが…
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[ 2010/09/06 18:54 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(7)

No title

そんなに面白そうに記事かくなよwww
・・・やりたくなったらどーする!!
[ 2010/09/14 19:43 ] [ 編集 ]

Re: No title

> そんなに面白そうに記事かくなよwww
> ・・・やりたくなったらどーする!!
その為のレビューですよ
[ 2010/09/14 21:27 ] [ 編集 ]

No title

ククク…見つけたぞ(◦皿◦)「オ前ハ 新・紋章ルナ ヲ ヤレー」
[ 2010/09/18 17:42 ] [ 編集 ]

No title

>>>ふくじんづけさん 自重してください 
今はDODのレビューです
[ 2010/09/18 21:23 ] [ 編集 ]

No title

ポケモンはどうなった?
[ 2010/09/19 13:53 ] [ 編集 ]

最近入手したノベライズ版だとノウェ視点な事もあって、多少はフォローされています。
例えば直轄区を破壊しようと思い立ったのは、「『世界に毒が流れ出る』などと嘘をついてまで民を苦しめている」騎士団の様子に、それまでの反感も加わった結果だとされていて、一応ノウェなりの義憤があったようです。…もっとも、「何故民を苦しめてまで封印を維持しているのか」という部分には全く気が向いてない辺りやっぱり駄目さが漂いますが。
それまで描かれてもいない・あるいは物語上不自然なのに唐突に恋愛要素を突っ込んでくる流れは自分も嫌いです。主人公とヒロインに魅力が無ければなおさら。何もスクエニに限ったことではないですが。

ちょっと興味深いのは、連隊長と契約モンスターの関係が描かれていること:
・イフリート:ザンポに対して「何故貴様のような小童と契約してしまったのか」と吐き捨てている。自分も死ぬと分かっていて、マナからザンポを庇おうとしなかった。
・ケルピー:ハンチが契約する要因になった水難事故はやはりこいつが引き起こした模様。その後はハンチを何かと困らせては面白がっている。
・ノーム:ヤハが契約を決めたのは「自分と同じ残酷さを見出した」から。玩具代わりに部下の騎士を与えたりと、ヤハなりに可愛がっているようだ。
・シェイド:心のドス黒さに惹かれたのか、契約する以前からジスモアに寄り添っていた。ジスモアも拒むどころかむしろ安らぎすら覚えていたという。
ただし死神はユーリックと契約する時の描写がちょこっとあるだけ。自分もろとも死のうとするユーリックにどう思っていたのかは、かなり気になりますが。
[ 2016/10/31 02:22 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

つがな様、コメントありがとうございます。

こんな古い記事にコメントしてくださるとは。ニチアサのニの字も無かったころのことです。
ノベライズ版は一定の評価を得ていることは存じ上げておりますが、
私自身DOD2のストーリーというか主に主人公とヒロインが好きじゃないのであんまり積極的に知る気はないです。
ですがモンスターと契約者の関係は面白いですね。モンスターの方が妙に人間味があるような…
死神に関しては名前が安直すぎて大した印象ないですね…
[ 2016/10/31 22:50 ] [ 編集 ]

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