レビューNo.18 ファイアーエムブレム 外伝

「ああ もうだいじょうぶさ
  こんなやつら ぼくが
  ひねりつぶしてやる


ファイアーエムブレム 外伝

FE外伝


ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
定価:6800円


RPGシュミレーションの革命児、ファイアーエムブレムシリーズの第二作目にして
後世に引き継がれる数々の新要素を数多く盛り込んだ意欲作。
今回はこの作品をレビューしていきたいと思います。

物語の舞台は、邪神ドーマと大地母神ミラの祝福を受け人々が繁栄するバレンシア大陸
北に位置するリゲル王国、南に位置するソフィア王国の二大王国によって平和が保たれてきたが、
突如として起こった作物の不作によりリゲル王国はソフィア王国に援助を求めるも、ソフィア王国はこれを無視。
怒ったリゲル王国はソフィア王国を侵略。ソフィア王国内の内部分裂もあってソフィア王国は滅亡寸前。
そんな戦乱の中、とある村で暮らす一人の少年アルムと、ソフィアの血を引く王女セリカの旅が始まるのだった…

まずゲームを初めていきなり過去作と違う印象…というかシリーズ通しても見られないようなシステムが待ち構えています。
ゲームの進み方は前作のように「マップをクリアしたら次のマップに行く」のではなく、あらかじめワールドマップなるものが用意されており、そこに散りばめられたエリアを任意で移動し、敵と遭遇した場合は前作同様バトル用のマップに移行し、敵部隊と戦闘します。
中には敵が無限に湧くエリアも用意されてるため、そこに留まれば延々とレベルアップをすることも可能です。
また一部のエリアでは町や建物などの施設には普通のRPGのようにキャラクターを動かしてエリアを捜索する場所もアリ。
物語の始まる「ラムの村」もこのようなRPG風のマップから始まります。そりゃ驚くってモンです。

RPGマップ   全体マップ



肝心のバトルの方もシリーズ類を見ない変更がなされています。
まず今までにあった「回数制限の武器」というものは存在せず、各ユニットは何も持ってない状態でもクラス固有の武器(「ようへい」なら「けん」、「ナイト」なら「やり」など)を最初から所持しています。
魔道士の場合はキャラクターごとに使える魔法が設定されており、レベルアップによってより強力な魔法を習得することができます。
当然魔法も回数制限はありませんが、一定のHPを消費しなければ使えないというシビアな仕様になっています。
「はがねのつるぎ」や「ナイトキラー」など従来の武器にあたるものは装備すると単に攻撃力を上昇させたり、特定の敵に大きなダメージを与えられるようになったりということになります。
ちなみに装備できる武器は一人一個だけ。中には「かわのたて」など防御力を上げる効果を持つものもあるので中々悩まされます。
これらのアイテムは前作のように宝箱を開けて手に入れるものもあれば、敵が低確率でドロップするものもあります。
ドロップするものの中にはあらゆる攻撃を必中にする槍「げっこう」や攻撃力20という破格の性能を持つ槍「たいよう」など高性能の武器もアリ。
しかしいざ手に入れようとするとドロップ率1%以下というネトゲとタイマン張れる確率のものばかり。でもそれこそがこの作品の魅力としてやりこむ人も。

このように、
・完全に装備品と化した武器
・装備がなくても戦闘は可能
・レベルアップで魔法を習得

など、ドラクエのような普通のRPGに近づいているようなシステムが本作の目玉になっております。

クラスも全体的に打って変わっており、CCの方法も前作と違います。
前作ではレベルが一定まで上がった状態でCC用のアイテムを使うことで初めてCCできますが、
今回はアルム・セリカを除いて「ミラのしもべ」というエリアに行くことで一定のレベル以上で可能になります。
名前からも分かるように、ユニットの中では最下級で強さも微妙。
しかしレベル3という早い状態からCCが可能で、CC先も「ようへい」「ナイト」「ソルジャー」「アーチャー」「まどうし」と豊富。
ここで「ようへい」を選択し、順番にCCしていくと「ようへい」→「けんし」→「ませんし」へと変わっていきます。
一見「ませんし」で打ち止めのような気もしますが、「ませんし」からもCCが可能でその先はなんと「むらびと」!
当然「ませんし」から「むらびと」にCCした後も「ようへい」→「けんし」→「ませんし」へとドヤ顔でCC可能。
要するに、この「むらびと」というクラスは全クラスの中で、唯一無限CCループが可能なクラスなのです。

その他にもこの作品限定の「アーチャー」の仕様も本作の特徴。
前作(というか暁以外)ではアーチャーは2マス以上の敵しか攻撃できず、四方を敵に囲まれれば何もできずに殺されるのがオチでした。(通称:助けてエイリーク!)
しかし今作のアーチャーは「反撃時のみ1マスの敵にも攻撃可能」という強力な使用を手に入れた上、武器装備時は2~5マスに攻撃が可能になり、更に最上級クラスである「ボウナイト」は素の状態でも2~5マスの攻撃が可能。優遇ってレベルじゃねーぞ!

しかし光があれば影が必ずあるように、優遇されたものもあれば必然的に不遇扱いされたものもいるのです。
その名も「シスター」、つまり回復係ユニットです。
前作でも「そうりょ」は敵の攻撃を避けることで初めて経験値を貰うことができましたが、今作の「シスター」はそれが廃止され、代わりに自身も魔法を使って敵を倒して経験値を稼がねばならなくなりました。杖を振っても経験値が得られないのは前作と同じ。
しかし「シスター」が初めから使える魔法、「リザイア」というのも、命中率が低い上に与えるダメージも微妙というあんまりな仕様です。
更に追い討ちをかけるように、杖の使用も魔法と同様、HPを消費しなければ使えません。味方の傷を癒す傍ら、自分が傷つくことになるのです。流石シスター、如何なる時も献身的であります。
一応前述のリザイアは消費HPゼロで敵のHPを吸い取る効果を持ってますが、威力がアレなので吸い取れるHPなんてたかが知れてるし、当たらなければ意味がありません。これでもかって言うぐらいの不遇っぷりです。
救済策として(?)今作ではマップクリア時にメンバー全員に一定の経験値が入るようになっています。とにかくこのシステムを生かすか、無理してでもザコい敵をチビチビ倒していくしかありません。

戦闘面のシステムについて一通り解説したので、お次はストーリー面の解説。
前述した通り、今作の主人公はアルムとセリカの二人。
アルムはリゲルの侵略に対抗する解放軍のリーダーとしてソフィアの軍隊と戦う一方、セリカは事の発端となった作物の不作を調べるため、魔物が蹂躙する大地を進んでいくことに。
基本的に二人が直接交わる機会は少ないですが、「お互いの目的を果たすべく別々の道を辿る」というシチュエーションは悪くないし、別々の道を辿ってるからこそラストの合流・共闘シーンは光ります。

最後に自分が感じた不満点ですが…

マップの仕様上、無限に経験値稼ぎできる分、全体的な難易度は高めです。
「いざとなら稼ぎができるからいいや~」と思って進めてたら、アーマーナイトやらナイトやらの猛攻を凌ぐのに一苦労。
アルムの必殺連打のおかげで何とかその場は凌げましたが、稼ぎの重要さを思い知らされました…
…つっても、敵軍とのバトルの際にいちいち稼ぎをしてレベルを上げてから挑むんじゃあテンポがだだっ下がりです。

更に何の恨みか分かりませんが、前作同様魔法防御の成長率は一律ゼロ
今回ばかりCC補正で魔法防御は幾分上がることもありますが、クラスによっては魔法防御の補正が全く無いユニットもいるのでやはり調整不足と言わざるを得ない。
前作でも魔法を使う敵、「しさい」は全体的にステータスが高く強敵でしたが、今作では「まじょ」というチート能力を身に着けた敵専用ユニットが登場。
その能力とは、一定確率でマップ内の任意の位置にワープし、その地点から魔法攻撃するという鬼畜っぷり。
しかもこちらには前述した「CCしても魔法防御が上がらないカス」が一人ぐらいはいるので、もう戦闘態勢どころの問題じゃない。
例としてセリカ側にはバルボという上記の性質を持ったアーマーナイトが仲間になります。
アーマーナイトの性質上、守備は高いので物理攻撃相手には前線に出して攻撃を受け止めてもらう役になるというのに、
魔女が相手となればこれまたアーマーナイトの性質上、素早さも魔法防御も空っきしなので他ユニットの影にコソコソ隠れなければいけません。物理相手の勇ましさは何処に消えたのやら…
攻略本ではこのバルボの魔女に対する防衛策が書かれているのですが、あまりの正攻法っぷりが逆にシュールで、今なお語り草となっております。

そんな防衛策とは? こんな感じ↓


    味       魔女
  味味味
味味バ味味
  味味味
    味 バルボを守れー

鉄壁のガードだぜ!


総評。

シリーズも始まったばかりのためか、チャレンジ精神の溢れた作品に仕上がっております。
実験的な試み故に少々調整不足の面もありますが、後世の作品のシステムの元になったものもあれば、そのままの形で受け継がれたものもあることから、この作品の価値が良く分かります。
Wiiバーチャルコンソールで配信されてることもあって、根強いファンが多いのも確かです。
それだけにリメイクが熱烈に要望されている作品でもあるのですが、今のところ予定はないようです。
リメイクを望んでいる方は、その日が来るまで「たいよう」でも集めながら気長に待ってましょう(´・ω・`)
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[ 2012/04/30 18:03 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(0)

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