レビューNo.23 ファイアーエムブレム 烈火の剣

私は力を得たのだ。

それ以外に大切なものなど何もない。

【竜の門】を開き、

私はさらなる力を得る・・・

何者にも負けぬ力を・・・

力を・・・



ファイアーエムブレム 烈火の剣
烈火の剣
ジャンル:シュミレーションRPG
発売元:任天堂
開発元:インテリジェントシステム
価格:5040円


シリーズ第七弾にしてGBAシリーズ第二弾。
前作『封印の剣』と世界観は同じく、20年ほど過去に遡ったお話になります。
FEのGBAシリーズは全三作で、どれも基本的なインターフェイス・システム周りは同じです。
つまりGBA三作は数少ない部分で差別化を図らなければならないということです。
特に今作『烈火の剣』は『封印の剣』と世界観が繋がっていることもあり、露骨に改変するわけにもいきません。
そんな今作の出来栄えは如何なものか?

指揮官がロイ一人だった前作とは違い、今作は主人公三人からなる二部構成の壮大なストーリー。
サカの草原の民でありながらも貴族の血を引く少女リン、フェレの子爵であり前作の主人公ロイの父親でもあるエリウッド、名門貴族の出身でありながらもとても貴族とは思えない豪傑さを誇るヘクトル。この三人の主人公でストーリーが進んでいきます。

総章数は外伝含めて40章以上。内序章~10章がチュートリアルとなるリン編11章~終章ではリン編から時が流れ、新たな旅立ちを迎えるエリウッド編又はエリウッド編をクリアした後にプレイできる、物語の裏側に迫るヘクトル編から成り立ちます。

前作は殆どのユニットが死んだらそれっきりの為、イベントに関わるのはロイと極一部のユニットのみ。仲間になるユニットは多いのに、それらの人物は出てきた章以外はイベントにあまり関わってこないのが残念でした。
しかし今作では主人公が三人になったことでイベント中は三人による会話が主な内容になったかつ、軍内の重要ユニット(マップ上で死んでも撤退扱いになる)が増えたため、イベントでは実に多くの人物が関わってくるため非常に充実した内容になっています。また仲間になる総ユニット数が前作より減った分、イベントに関わってくる通常ユニット(マップ上で死んだらその場で死ぬ)も増えました。

とにかく今作で特筆すべきなのはしっかり堅実に作られたストーリーにあります。
大陸全土で戦争が起きたため、大陸中をえっちらこっちら大忙しで進軍していた前作とは違い、今回は戦いの起こる場所が局地的のためストーリーはじっくり進んでいきます。
またシリーズで唯一戦争が起きない作品に仕上がっており、「世界を滅ぼさんとする悪者を倒す」という非常にファンタジー色の強いストーリーとなっております。
これだけ見てしまうと不満を覚える方もいるでしょうが、戦争が起こってないからこそ「このまま戦いを続けたら戦争になってしまう」と戦いを止めるべく戦い続ける主人公側達の描写は秀逸です。
また戦争モノに付きものの「侵略者」は存在せず、それでも敵として主人公達の行く手を阻む暗殺集団「黒い牙」達の行動倫理、組織内で起こる分裂、人物の心理描写などストーリー面には全く飽きることはありません。
つまり今までの作品とは「敵」「味方」の定義が違って見えてくるのです。戦争とは違う勢力同士の戦いは、ある種戦争以上に陰湿で残酷なものがあります。それが今作一番の魅力だと考えます。

システム面では「支援会話」のログ機能が追加。会話自体の内容も強化されており、コレクター要素が一層強くなりました。

また「総合評価」も継続されただけでなく、こちらもログ機能されただけでなく、高評価を得る難易度が非常に高くなりました。
ターン数を1、2ターン無駄にしただけでも攻略評価がガクッと下がり、高価なアイテムを濫りに使用したり売り払うと資産評価に取り返しのつかないぐらい影響を及ぼしたりと、非常にシビア。
総合評価Sへの難易度は急激に上昇する結果となりました。

またゲームバランス面も前作より強化。
全体的に武器の命中率がアップ。また前作で猛威を振るった「ソードマスター」の弱体化など、再び斧が活躍の場を見出せるような状況になりました。
また新たに「修道士」「アサシン」のクラスが追加。前者は光魔法を専門に使う魔道士で、前作では光魔法は「僧侶」がCCした後しか使えなかったので非常に不遇扱いされていた魔法でもあります。後者は「盗賊」がCCしたクラスで、前作ではCCできなかった盗賊が、これにより一気に一戦力へ起用できるようになりました。どちらも前作のゲームバランスの改善に一役買ったと言えます。

今作も前作同様ハードモードが実装。
エリウッド編のハードモードは手応えも中々で非常に楽しめる内容なのですが、ヘクトル編のハードモードは一転、エリウッド編ハードとは比べ物にならない程の鬼畜難易度を誇ります。敵配置・増援・装備の変更、ステータスの強化、ルーチンの変化などかなり手強い仕様になっており、これで総合評価Sを狙うとなると相当な拷問になります。ある種トラナナをも凌ぐ難易度と言えるでしょう。

前作よりも完成度はより一層高くなっていますが、例の如く批評点も挙げておきましょう。

まず今作では今までできた「出撃準備画面からの買い物」ができなくなりました。これにより買える時に必要以上に買い占めておかないと「武器不足による詰み」の危険性が増すことになります。特にヘクトル編ハードでは…

またハードが手強い反面、ノーマルは非常にヌルい難易度に仕上がっています。終盤の上級職でもステータスが二桁に達してない敵ユニットもザラではありません。質が無い分物量で攻めてくることもありますが、正直強いユニットによる無双で全てが終わってしまいます。敷居が低くなったとも言えますが、せっかくバランス面を調整したのにこれは残念です。

後はストーリー面での非常に惜しい点。
イベントで殺されてしまう人物が、終盤のイベントで生き返ってしまうのです。
シリーズでも失った仲間を生き返らせる方法がありましたが、今作はCMで「失った仲間には二度と会えない」と堂々と言っているので、公式が嘘をついたことになります。
それにマップ上の戦闘で死んだユニットを生き返らせるのならまだしも、イベント中に死ぬ(=その人物が死んで初めて話が進む)という展開でわざわざ生き返らせてしまうのはあまりにもご都合主義すぎます。

FEに限らず、創作モノで「死んだ仲間が生き返る」という展開は筆者にはどうも苦手です。
筆者にとっての創作モノの死人とは「死んでナンボ、生き返させるなんてとんでもない」という考えを持っています。(ドラゴンボールは例外)仲間が死んだからにはそこには「その仲間の死を悼む同僚とのすれ違い」、「死に対する恐怖や葛藤」「仲間の死という現状をどう受け止めるか」など様々なドラマが生まれ、それらの過程を得て主人公達は一層成長し、先へと進むもんだと思ってます。二次元に限らず「人の死を受け入れる」というのは難しいことですが、それだからこそ成長した後の姿が光るってもんです。
実際今作でも仲間の死を前に主人公の一人であるエリウッドは酷く打ちのめされ、迷いながらも一つの結論に辿りつくことができました。ちゃんとドラマは出来上がってるワケです。
それらのシーンは「その仲間が死んだから=生きていては成り立たない」ワケですから、その人物が生き返ってしまっては全てがオシャカになってしまうと私は考えてます。
せめて「制限時間付きで生き返る」っていう設定だったらなぁ… 幾分マシな印象だと思うんですが。
本当に惜しい点です…(´・ω・`)


総評。
ゲームバランスを改善・強化し、ストーリーも一級品に仕上げた一作。
その絶妙なバランス(ノーマルは除く)でGBA作品の中では一番気に入ってる作品でもあります。
ノーマルモードも制限プレイをしたい時には丁度いい難易度なんですけどね(´・ω・`)
前作との接点こそありますが、時系列的には過去なのでプレイする際には支障はありません。
…と言っても前作をプレイ済みであれば少しニヤリとできるシーンもあったりするので出来れば前作もプレイしてほしいところ。
中古ショップなどで機会があればどうぞ。
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[ 2012/05/05 17:05 ] 過去レビュー置き場 | TB(0) | CM(1)

FE共通の「失った仲間は戻らない」システムに考えさせられるものはありますね。まぁ大抵は「あっミスった」とか言ってリセットしてますけど
(・_・;)

烈火はオスティアンズとリン×フロリーナで無双してた記憶しかありません。やはり回避職上位でしたかね?

あとひとつ言わせてもらうなら、WOLTさんは「ノーマーク」ですね…
[ 2012/05/05 18:56 ] [ 編集 ]

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