WOLT、ラングリッサーⅢ(SS版)を語る 後編

レギュラーパッケージ。要するに通常版。
ラングリッサーⅢの後編記事ですぞ。
前回はヒロインセレクトやそれを取り巻くシナリオ関連のお話をしましたが、
今回は一新された戦闘システムについて言及していきます。

変更点こそ目立つものの、基本的な基盤や王道といったものは変化は見られなかったシナリオと違い、
戦闘システムに関しては正直似ても似つかないような感じに仕上がっています。
言葉での説明がメインですが、如何せん難しいかも… イマジネーションを大切に。
これまでのラングは指揮官となるユニットに、数名の傭兵を雇って個別に戦うシステムでした。
例えば傭兵を4人雇ったとしたら、動かせるユニットは指揮官1人+傭兵4人合計5人です。
指揮官も傭兵もHPの上限は10であり、それ以上に変動することはありません。

しかし『ラングⅢ』では指揮官も傭兵も一纏まりのユニットとして動かすことになります。
傭兵を4人雇ったとしても、「傭兵4人を雇った指揮官」という1つユニットとして計算されます。
この場合傭兵のHPは「雇った数×10」という数値になります。
そして指揮官ですが、今作のみ「上限10」の限界を超え、レベルアップと共に上限値が変動するようになりました。

このように指揮官と傭兵に関するシステムは根本から変更されました。
それならば当然、戦闘内容も大幅に変わってきます。
具体的にどう変わるか? チャート風に説明します。


移動します

まずはターンの開始。ユニットの移動先を決めます。
単にまっすぐ進むだけでなく、ポイントを決めて迂回するなんてことも可能。


ハード限界故かロード時間は長い。

移動先の指定が終わったら、ターン終了。
すると自軍のユニットが動くと同時に敵軍のユニットも動きだします。
今作では敵・味方の行動が同時に処理されるようになったんですね。


戦闘開始時の「キャイーン!」って音すき

移動終了。ユニット同士が接触していたので戦闘を開始します。
素早さのステータスにより、先手・後手が決まります。


細かい数字とか文字がつぶれて読みにくい

戦闘開始画面。指揮官と傭兵の配置を決めます。
その時各ユニットに「突撃させるか」「その場にとどまらせるか」などの指示も与えます。
(一応、与えなくても自動で判断して動いてくれます。)


謎の光線を吐きだす飛兵ども

傭兵の配置・指示が決定したら戦闘スタート。
3Dパノラマフィールドの中で傭兵や指揮官が動き回り、攻撃を加えていきます。
この間プレイヤーの操作が介入することはないので、画面を見ることしかできません。
どちらかの指揮官のHPが0になるか、与えた指示を全て完遂した時点で戦闘終了。

戦闘が終わったら元のフィールドの画面に戻ります。
次に戦うユニットがあれば戦闘を行い、全て完了すれば再びユニットの移動画面に戻ります。

1.ユニットを動かす
2.ユニット同士が接触していれば戦闘開始
3.傭兵の配置・指示を決めて戦闘開始
4.戦闘終了まで画面をずっと見ている
5.戦闘終了。次に戦うユニットがあれば2へ。なければ1へ戻る

簡単に表せばこんな感じ。問題は3~5までの戦闘を1度の戦闘で行わなければならないことです。
傭兵の配置や指示を細かく決めるのは自由度が高い反面面倒臭く、すぐにダルくなります。
戦闘画面も2~3回も見れば十分で、飽きが早い上にプレイヤーがすることは何もありません。
その上この戦闘画面、終了しても画面が切り替わらないバグがあり、しかも割と頻発するという有様。
もし発生してしまった場合はリセットする他ありません。

1つの戦闘開始~戦闘終了までの所要時間は早くても1分前後はかかります。
次に戦闘があればまた1分。そのまた戦闘があればまたまた1分。
全部の戦闘が終わっても、あくまでそれは1ターン分の戦闘が終わっただけ。
そのシナリオを終えるまでは、何ターンも同じ作業を繰り返さなければなりません
シナリオ後半になれば、1ターンに戦闘を十数回行うなんてこともザラではありません

ここまで読めば分かると思いますが、この戦闘システムは複雑すぎて評判がよくありません。
戦略性を重視するあまり、テンポがあまりにも劣悪になっています。『ラングⅢ』の批判点は殆どここに起因します。
前作までのシステムに慣れていた人ほど飲み込み辛く、かといって初見に人にも分かり辛くて取っ付きが悪い。
「改悪」と受け取られても仕方ないくらい、練り込みが浅いのです。
ちなみに筆者は初回プレイ時、このシステムが理解できず、1章進めるのに丸一日かかりました。


今作の戦闘はデバックの時点で批判が強かったみたい。

しかしラングスタッフもそこまで鬼ではありません。
ゲーム内の設定に「戦闘オフ」という項目があるのです。
これを選択した状態でゲームを進めてみるとどうなるでしょう?


移動します

ユニットを動かします。


戦闘開始時の「キャイーン!」って音すき

ユニット同士が接触したので戦闘開始。


左側が自軍、右側が敵軍。上の数字が指揮官のHPで下の数字が傭兵のHP。

戦闘が内部処理で自動で行われ、戦闘で減った指揮官と傭兵のHPが表示されます。
次に戦うユニットがあれば戦闘を行い、全て完了すれば再びユニットの移動画面に戻ります。


そうです。
先述した戦闘の1~5までの項目のうち、3と4を全自動行ってくれるのです。
テンポは劇的に改善されますが、全て自動で行われるので当然戦略性は低くなります。
かと言って戦闘オンにすれば面倒臭い傭兵の指示と退屈な戦闘画面に付き合わなければなりません。
長いスパンで考えるなら、「戦闘オフ」が妥当なのです。一体何の為のシステムなんだ~…

何はともあれテンポが改善されたのは事実です。
ではこれで戦闘に関する不満点が無くなったか? と聞かれればそんなことはありません


例えばフィールド上に、指揮官とその傭兵たちが道を遮っていたとしましょう。
どうしてもその道を通りたいのであれば、その指揮官の部隊を倒さざるを得ません。
過去のラングでは、手っ取り早く部隊を倒したければ指揮官を集中攻撃すればいいことです。
ただし指揮官は大抵強いステータスを持っており、下手に攻撃を仕掛ければ返り討ちになります。
ユニットは一度死ねばどうあがいても生き返りません。その辺に攻守の駆け引きがあります。

では『ラングⅢ』で同じ状況に遭った場合どうすればいいでしょうか?
先述通り、『ラングⅢ』では指揮官も傭兵も一纏まりのユニットです。
なので敵部隊を倒したければ、敵部隊の近くまで移動して接触して戦闘を仕掛ける必要があります。
ですが先述通り、『ラングⅢ』では指揮官・傭兵共に直接操作するわけではなく、あくまで指示を出すだけです。
ピンポイントで指揮官を攻撃するとかの命令ができないんです。実際の戦闘は自動なので思うように戦況が進まないことも。
戦闘オフにしていれば尚更のことです。

おまけに『ラングⅢ』では「治療」コマンドの仕様も変更。
過去作では「治療」コマンドを選択すると指揮官のHP・MPを少しだけ回復するのですが、
今作での「治療」は指揮官が回復すると共に傭兵のHPも回復します。
その回復対象には、なんと既に死んだ傭兵の分も含まれるのです。
このせいで同レベルのユニット同士が戦うと、こちらの攻撃相手が回復相手の攻撃こちらの回復こちらの攻撃…」
と延々と続くことになり、マジで決着がつきません
なにぶん傭兵の消費が激しいゲームなので、治療で傭兵が回復することは一概に改悪とは言い切れません。
ですがテンポの阻害になっているのも事実。やっぱ練り込み不足ですかね。


並みのキャラがメテオ降らせれば、傭兵は即死する。

問題はまだあります。
過去作のラングではHP上限が10である以上、固定ダメージを与えられる魔法が猛威を振るっていました。
今作では魔法ダメージがインフレし、より一層凶悪化することに
実を言うとこれはこちら側よりむしろ敵側が不利になるような調整に仕上がっています。
過去作に比べると魔法攻撃を仕掛ける敵は少なく、反面こちらの魔法系ユニットはそこそこ多めです。
強い魔法も比較的早期に覚えられる他、その魔法を2発も与えれば部隊の傭兵は蒸発し、指揮官も虫の息になります。


ティアリスの目が閉じちゃってる…w

更に一部の魔法系ユニットは「連続魔法」というスキルが習得可能で、
その名の通り1ターンで2回魔法を撃つことができるという強力無比なスキルです。ダメージは当然インフレします。

更に更にシリーズでも最強クラスの魔法と名高い「メテオ」は威力もさながら、相手の魔法防御を貫通するという恐ろしい性能。
魔法耐性を持っているラスボスですら「メテオ」の魔防貫通には手の打ちようがなく、魔力さえ足りてれば2発で沈みます。
先述した「連続魔法」のスキルを使えば1ターンで沈みます。何だそりゃ。

更に更に更に過去作ではMPが無くなると「治療」でチマチマ回復しなければならないのですが、
今作ではMPを一気に大量に回復できる「魔力草」というアイムがある為そこまで苦労しません。
「連続魔法」も「魔力草」も敵は使用できない為、自軍が圧倒的に有利になってしまいます。
まあ相手も使ってきたらそれこそゲームバランスが世紀末ってレベルじゃなくなりますが…


以上の事から、戦闘システムは練り込み不足でゲームバランスはお世辞にもよくないと言えるでしょう。
一応擁護しておきますと、「戦闘オフ前提」であればテンポは良いので進行はスムーズです。
戦闘が自動で行われるとはいえ、ユニットの移動自体はこちらの自由なので戦略性が皆無というわけではありません。
傭兵のフォーメーションを変えて道を通せんぼしたり、敵に触れるスペースを増減したりとか。
あと何だかんだで魔法で敵を一気に殲滅するのは中々爽快感がありますよw
ゲームバランスはガバガバですが、クソゲーではありません。
仕様を理解できればきちんと最後まで遊べるくらいのテンションは保てました。
向いてない人にはとことん向いてないゲームですが、それはある意味SRPGというジャンル上仕方ないことでもありますね。


何でそんな分かりやすい場所に動力源があるんですかね…

暗い話題で〆るのもアレなので、最後は今作のちょっとした小ネタをご紹介。
それはシナリオ1の「浮遊城襲撃」でのことです。
このシナリオでは敵の部隊に主人公のディハルトたちの住処である浮遊城を襲撃され、
敵の総統であるアルテミュラーに城の動力源を破壊されてしまうという、いわば「負けイベント」なのです。
シナリオ1だけあってこちらの戦力は貧弱。対してアルテミュラーのスペックは強大。
そもそもアルテミュラーはディハルトたちとは切り離された場所から侵入してくるので、こちらの打つ手はないのです。


この時初めて「テレポートは術者本人にも使える」と知った。

が、それは初回プレイ時のお話。前回も言ったように、このゲームには「シナリオセレクト」があるのです。
テレポートという移動魔法を使うなり、魔法で遠隔攻撃をすればこちらからアルテミュラーに介入することができます。
もし、このシナリオでアルテミュラーを倒してしまったら…?



実はこの一戦ではアルテミュラーを倒せていない。次の魔法攻撃で仕留めました。

百聞は一見にしかず。実際に倒してみましょう。
一度ラスボスを倒したセーブデータからシナリオセレクトしてシナリオ1へ。
魔法やら肉弾攻撃でアルテミュラーをフルボッコ。さあ、トドメだ!



ホントにびっくり

勝ったッ! ラングリッサーⅢ完!



でも一部にはシナリオセレクト前提のシナリオがあってだな…

え、いかさま? 正々堂々と勝負って… 私には何のことだか…(^_^;)



33-4.jpg

GAME OVER
チ―――――――ン ( ゚д゚)

そう、本来のルートを無視してアルテミュラーに勝負を挑んでしまった場合、
いかさま=シナリオセレクトを行ったことを咎められ、あろうことかゲームオーバーになってしまうのです!

このような、プレイヤー側が使う裏技を見越してのメタ的なイベントは他のシナリオでもちらほら採用されています。
これも制作側のウィットのギャグセンスの成せる業。色々探してみてはいかがだろうか。


ちなみにこのゲームはコミカライズ版が発売されている。しかし絵柄が…

2回に分けてこの『ラングリッサーⅢ』を紹介させていただきましたが、
私としてはこの『ラングⅢ』が「異色作」と称されるのはひとえにこの戦闘システム改変による影響が強いと思うのです。
シナリオ自体はまともなクオリティですし、ヒロインセレクトも以降のシリーズに受け継がれる辺りそこまで評判は悪くなかったはずです。
それに対して戦闘システムは次回作以降は元のターン制に戻ることになる為、どちらかと言えばこちらは「失敗」です。
そもそも制作日誌に「デバックの時点で批判が強かった」と書き記してあるなど、制作側も練り込み不足であったのは承知していた様子。
(調べた限りで)2回も発売を延期しているので、恐らく色々と切羽詰まってたんでしょうなぁ。

まあ、こういった紆余曲折なシステムの変更というのは長いシリーズモノでよくあること。
異色作とはいえ、この『ラングリッサーⅢ』はラングリッサーシリーズという歴史の1つにすぎないのです。
『ラングⅢ』の世界にもまた、開発スタッフとうるし原デザインによって命を吹き込まれたキャラクター達が確かに生きていたのです。

ちなみにこの『ラングⅢ』、約10年ほど経ってPS2に移植されることになるのですが、それはまた別のお話。
今はただ、順当にナンバリングシリーズを語っていくのみです。
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[ 2015/02/17 23:09 ] ラングリッサー | TB(0) | CM(0)

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